旅先の開放的な雰囲気の中で

・作

幼馴染の彼氏が旅行に誘ってくれて、うきうきの紬。予約してくれたホテルのちょっとラグジュアリーなプールで戯れているうちになんだかいい雰囲気に。旅先の開放的な空気、いつもよりも大胆に攻められてドキドキが止まらない!

幼馴染で彼氏の克樹とそろそろおうちデートもマンネリ…。でも外は記録的猛暑とかで出る気も失せる。もう夏は過ぎてもいい頃なんだけれど。そんなとき克樹がこんな提案をしてれた。

「紬の大学も9月いっぱい休みだろ?8月は混むけど、9月の連休さけて平日に旅行しよう。まあシーズン中だけど多少は空いてるだろうし。バイト掛け持ちしまくって稼ぎまくったからいいホテル泊まろう。来年からは就活で忙しいだろうから暇な今のうちに」

「行く!私もバイトいっぱいしたからいつもよりシフト余裕あるし」

正しくはバイト掛け持ちしまくりで克樹が忙しくて、暇で暇で仕方ないからバイトいっぱいしたぶん今月シフト緩いんだけど。もしかして旅費をためるためだったのかなとか甘いこと考えてしまう。

一緒にパソコンの画面を見ながら計画を立てる。克樹との旅行は初めてで楽しみすぎてちょっと舞い上がっている私がいる。一泊二日、近場だけどちょっといいホテル。

「楽しみだね」

「海近いとこがいいよな。あ、ここ宿泊する人だけ専用のプールついてる。いい感じ」

「本当だ。新しい水着買ったからもっていかないと」

こんなに暑くなかったら海とかプールとか行きたかったから買ったんだけれど、外に出ること自体がもうマジ無理みたいな感じ。海とかプールとか着くまでに死ぬんじゃないか?みたいな勢いで結局着る機会がなかった。

よかった、今年はもう着る機会ないかと思った。友達と買いに行って似合うと絶賛された水着、克樹に見せたかったし。

「何、俺に見せるために買ってくれたの?」

「そうだよ。友達絶賛のやつ」

「へー、楽しみー」

*****

そんな話から10日後。小さめのボストンと貴重品用のバッグをもって電車に揺られていた。いつも乗る電車だけど、いつもとは違う所に行くと思うとそれなりにどきどきした。車でもよかったんだけれど、高速乗らないとだし、SAとか誘惑が多いので今回は電車。いつか車で旅行も行ってみたい。

「紬、次乗り換え」

「あ、うん」

ボストンバッグを持つとすっと手から取られ、当然のように持ってくれた。

「あらぁ、優しい彼氏さんねー」

と朗らかなお婆さんに言われてちょっと照れたけれど、

「はい、優しくて自慢の彼氏なんです」

そう返すと乱雑に頭を撫でられた。克樹も照れているのか耳が赤くなっていることには気が付かなかったことにした。いつもは絶対に言わないだろうことを言うのは浮かれているからだ。

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