宇宙船で愛のエチュード。切なく燃え上がる今日限りの情事は激しく甘く… (Page 5)

「挿れるよ」

いつの間にかゴムを纏った翼のペニスが、ぐずぐずにぬかるんだところに当てられる。

「翼、来て…」

奥まで満たされて、涙が出るほど気持ちよくて、翼の広い背中を抱き締めて幸せに酔う。

「紫穂、大好き。いなくなる前にひとつになれてよかった」

「ああっ…翼…私も大好き。いなくなるなんて言わないで…」

ゆっくりとペニスを抜き差しされて、体がふわふわと浮くような快楽が背筋から脳天に抜ける。

繋がったところはとろとろに溶けながら、翼のペニスをきゅうきゅうと締めつけ、擦り上げられる度に甘い快感が頭の中でシャボン玉みたいに弾ける。

「そんなに締めつけられたら、あんまり持たないかも」

激しく腰を打ちつけられ、急激に昇り詰め、このまま溶けてしまいそうになる。

「あっ…イくっ…イっちゃう…」

「紫穂…俺も…」

「あぁあああっ…」

「うぅっ…」

もの凄い絶頂感に射抜かれ、高みに放り上げられ、ガクガクと全身が痙攣する。

翼のペニスが私の中で爆ぜ、強く脈を打ちながら熱い精液を注ぎ込む。

脱力する翼を抱きしめ、軽く口づけて汗ばんだ髪を撫でた。

*****

「紫穂、もう行かないと…響生が待ってる」

響生と亜希は、すでに服を身に着け、抱き合ったまま窓の外を見つめている。

「行くって…?」

「あのドアの外に非常用の出口があるから」

服を着て、翼と最後のハグをして、響生にも別れを告げる。

「じゃあ、ふたりとも無事に帰れよ」

「いやあああ、置いて行かないで! 私も一緒に行く!」

半狂乱になって響生にしがみついて泣き叫ぶ亜希を背中から抱きしめると、涙がとめどなく溢れてくる。

響生が亜希を振りほどき、身を翻すと、翼と共にドアの向こうに消えた。

魂を失ったように立ち尽くす亜希を抱き締め、吼えるように泣いた。

*****

拍手が聞こえてくる。

え?

「紫穂さんも亜希さんもすごーい!鬼気迫る迫真の演技!」

一瞬にして現実に引き戻された。

演劇サークルの後輩たちが到着したようだ。

「いやー買い出しご苦労。みんなが来るまでエチュードやってたら、どはまりした」

翼も響生も生きてる!

って、生きてて当たり前なんだけど、感情移入し過ぎて我を忘れていた。

「紫穂」

「え?」

「さっきのは演技じゃなくて、本気だからね」

翼に耳打ちされる。

「私も」

と、答えたら急に恥ずかしくなって、私は涙でぐしゃぐしゃの顔を覆って俯く。

「最後の合宿だから、思い出いっぱい作ろうな!」

翼はそう言うと、私の髪をくしゃくしゃと撫でた。

Fin.

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