家政婦の面接に行ったら情婦の面接だった。 (Page 2)
通されたリビングで面接を開始した。
神田さんはゲーム実況配信で収入を得ていて、ゲームに集中する為に家政婦を雇いたいと自己紹介を兼ねて求人を出すに至る経緯を教えてくれた。
ゲーム実況は夜通し行うこともあり、そのときはパソコンの前を離れられないから側にいて飲み物や夜食の用意などをしてほしい、とのこと。
彼はわたしが昨晩慌てて書いた履歴書をさらっとだけ見て、得意料理が何かということと、実質ほぼ休みはないものだと思ってほしいが問題ないかということの2点だけ尋ねてきた。
藁にもすがる思いの私は必死に猛アピールした。神田さんはうんうんと私の話を最後まで聞いてくれた。
「そ。じゃあ、採用の方向でお願いしたいんだけど…」
「はっ、はい!よろしくお願いします!」
面接と呼ぶにはあまりにもあっさりとしていて、拍子抜けしてしまった。
『家政婦紹介所の人は採用は難しいかもって言ってたけど…どうにか仕事と住む場所が決まってよかった。それにしてもゲームして配信するだけで駅前の高級マンションに一人暮らしって…余程人気なんだなぁ』
なんてぼんやりと考えながらリビングを見回していると、いきなり神田さんに腕を掴まれた。
「きゃっ!何するんですか」
「今から最終試験をするって言ったでしょ。話聞いてた?」
「…すみません、聞いてませんでした」
「こっちに来て」
連れていかれたのは寝室だった。呆然とする間もなく、クイーンサイズくらいありそうな大きなベッドの上に押し倒された。
「ひゃあ!」
「律儀にリクルートスーツなんか着て…皺になるのはイヤでしょ。汗もかくだろうし全部脱がせるね」
「えっ?」
「気が変わった。冬江さん、すごく俺のタイプなんだ。『家政婦』じゃなくて『家政婦兼情婦』として雇いたい。だから、身体の相性が合うか最終試験をする」
家政婦兼情婦って…何それ。
それに身体の相性が合うかって、今からセックスするってこと?
セックスが最終試験だなんて、ありえない。
でもなぜか拒絶の言葉が出てこなかった。寧ろ心のどこかで期待している自分がいた。
だって元彼と喧嘩したのも、すれ違い生活からくるセックスレスが原因で…
異性とこんなに話をするのだって久しぶりだった。
神田さんはモデルやアイドルだと言われても信じてしまうほどのルックスの良さで、顔を見るだけでドキドキしてしまう。
そんな彼が、私に覆い被さって首筋にキスの雨を降らす。お腹の奥が熱くなってきて、堪らずもじもじと膝を擦り合わせてしまう。
その様子を見て神田さんは、
「断らないってことは、君もその条件でいいってこと?」
そう言って、私が着ているブラウスのボタンをゆっくりと外していった。
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