ある日の太陽に焦がれて

・作

小さい頃お世話になった大叔母が施設に入ることになり、荷物整理に来た菫(すみれ)。そこは夏のたびにきていた思い出の家。偶然幼馴染の太陽と再会し、手伝ってもらうことに。立ち眩みを起こした菫を気遣って、太陽の家に呼ばれたけど…。久しぶりに会った彼にドキドキがとまらない!

一時間に1本しかない鈍行に乗ってたどり着いたそこは子供の頃の記憶そのままだった。田んぼが広がり、視線を上にあげると山の稜線。

子供の頃気管支が弱く、両親が共働きのため小学生までは夏はここで過ごしていた。自然が多いため空気もよく、大叔母の敏子さんも孫のように可愛がってくれた。私が『敏子おばあちゃん』と呼んで慕っていたのも大きかっただろう。

その大叔母が施設に入ることになり、家に置いてきた花嫁衣装と黄八丈の着物を持ってきてほしいということで、有休消化もかねて久々にやってきた。

*****

預かってきた鍵で玄関を開ける。

ここに来る前施設にも行ってきたが、家のものは何でも使ってくれていいと言ってくれた。水道も今月いっぱいまで使えるといっていた。

「掃き掃除からするか」

縁側の窓を開け、畳を掃いていく。敏子おばあちゃんは綺麗好きで裁縫が好きだったから、手作りと思しき雑巾もいくつかあったし。縫い目が花柄とかでかわいい。家の前を青年が通るので軽く会釈すると、生垣越しに声をかけられた。

「おい、菫っ!お前、菫だろ!俺、太陽だ!」

大きな声でそう言われ、ある夏の記憶が蘇る。
けたたましい蝉時雨、風鈴のなる縁側で食べた甘いスイカ、火薬のにおい、せき込む私の背を優しくさすってくれた小さな手のひら。

「太陽君!嘘、わかんなかった。声も低くて…」

前に会った時は生垣より背が低かったのに。今や顔を上げないと目が合わない。声だって幼さが抜けてずいぶん低く…。

「菫はちょっと縮んだんじゃないか?」

その言葉にもうっと言って笑った。ザ・やんちゃ坊主だった太陽君。小さい頃はこの家で花火したり、昼寝したりしたものだ。玄関から縁側に回ってきた太陽君は私の顔をまじまじと見て笑う。

「嘘だよ、いい女になったな菫」

「…お世辞でも嬉しい」

お世辞じゃないと返され、返事に困る。言われなれない言葉にどういう顔していいかわからない。よほど複雑な顔か困った顔をしていたんだろうか、額をはじかれた。

「いった…、なにすんのよ」

「誉めてんだから、ありがとう嬉しいぐらい言えよ」

小さくありがとうと返すと笑って頭をぐしゃぐしゃにされた。

公開日:

感想・レビュー

レビューはまだありません。最初のレビューを書いてみませんか?

レビューを書く

カテゴリー

月間ランキング

  1. 仕事中なのに…イケメン営業マンの同僚に密室で弄られ、イカされる私

    タコうさぎ54169Views

  2. セルフエステにあったエッチな玩具をこっそり使ったら止まらなくなって…。仕上げは男性エステティシャンの立派なモノで…!?

    タコうさぎ53683Views

  3. 幼馴染と一緒のお布団で寝ていたら、ちょっと、固いの当たってるんですけど?

    八代もも29900Views

  4. 京都弁ヤンデレ元彼に捕まって、エッチな復讐を受けました…

    上渡セイラン28200Views

  5. 女風セラピストのとろとろクンニ

    藤原凛生19534Views

  6. 失恋女子は京都弁上司に気持ちいいエッチを教わります!

    上渡セイラン18306Views

  7. 評判のマッサージ店に行ったらイケメンの店員さんにクリトリスを丁寧にマッサージされちゃった。

    九条リオ16489Views

  8. 彼を受け入れるためのHowto…

    十月夏葵16126Views

  9. 仮眠室のベッドは使用中です

    十月夏葵14900Views

  10. 俺様人気アイドルと秘密の性処理

    川海月13400Views

人気のタグ

クリトリス クンニ 愛のあるSEX キス ちょっと強引に 愛撫 我慢できなくて クリ責め 乳首 思わぬ展開 指挿れ 乳首責め ラブラブ イキっぱなし 働く女性 彼氏 ベッド以外 胸きゅん 潮吹き いじわる フェラ 中出し 言葉責め 好きな人 OL 年下クン 年上の男性 スリル ちょっと過激に 挿入なし

すべてのタグを見る