意外なところで再会したかつてのご主人様に、年下の恋人を交えて調教されちゃう私 (Page 2)
亮くんと私は、介護サービス会社で働く同僚で、つき合い始めてまだ間もない。
他に相手がいないことは確認済みではあるけれど、どういう関係なのかは曖昧なままだ。
私はバツイチなので、5歳も年下でまっさらの独身である亮くんには、負い目を感じてしまう。
それに、私はM女なので、亮くんは優しすぎて物足りない。
就職したばかりのころ、派遣のお給料だけでは生活が苦しく、また、自分の性癖も見極めたくて、週に1回だけSMクラブで働いていた。
そこでわかったのは、私は誰に対してもMになるわけではなく、特定の男だけが私のスイッチを押すということだ。
そして、今でも忘れられないご主人様ともそこで出会った。
本名も職業も聞かず、知っていたのは徹さんという名前のみで、50代半ばぐらいのものすごく頭の切れる人だった。
私は徹さんの意のままに動かされ、淫らな本性を暴かれ、苛烈なお仕置きを懇願し、その後は蕩けるように甘やかされた。
元夫と出会って、結婚を前提に交際を申し込まれた時に別れてしまったけれど、それ以来、どんな男でも徹さんと比較してしまう癖が抜けない。
*****
預かっていた合鍵で柏木さんの家に入る。
柏木さんは73歳。脳卒中の後遺症である、半身の麻痺と、言語障害がある。
妻とは離婚し、息子夫婦とは同居せず、介護サービスを利用しながら一人暮らしを続けている。
「お邪魔します。〇〇介護サービスから来ました」
車椅子に座って、テレビを見ていた柏木さんが振り返って私を見る。
徹さん?
顔は似ている。でも、私が知っている徹さんは、寝巻き姿で車椅子に座っている老人ではない。
それでも、あの頃と変わらないすべてを見透かすような視線に射抜かれ、身動きができなくなる。
「瞳?ちっとも変わってない」
喋り方はかなりゆっくりになっているけれど、元の喋り方を知らなければわからないくらいにまで回復している。
「徹さんこそ」
「いや俺、じじいになっちゃって、瞳に恥ずかしいとこ見せちゃったな」
徹さんは、そう言うと照れたように笑った。
「瞳さん、お知り合い?」
亮くんが訝しげな視線を向ける。
「昔の知り合いで…」
会社の上司とか、恩師などもっともらしい言い訳を考えたけど、後で嘘がばれるのも嫌なので、言葉を濁す。
「じゃあ、俺は掃除しちゃうから、瞳さんは買い物リスト作って」
「了解」
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