全部、淫鬱な雨のせい (Page 4)

「怜くん…きもちいい」

「うん、きもちいね。仁美さん、イッていいよ」

怜の手首が角度を変えた。

そして指先でトン、と蜜壺の上壁を叩いた。

「はぁあんッッ!」

足の指先までビリビリと痺れるような快感が走る。

「やっぁあっ…そこぉぉっっ」

再び怜の指が肉壁をノックする。

だんだん速度を速めながら、連続した刺激が与えられた。

「あぁあっっあああんっ…!だめぇっ」

ビシャっと淫水が吹き出した。

「いっ…イクぅっ…はんんっっ!!」

その瞬間、嬌声がキスで封じられた。

「ンッッッーーー!!」

ビクビクと全身を痙攣させながら、私は達した。

「仁美さん、エロすぎ」

ようやく唇が離れ、私は肩で大きく息をした。

頭がのぼせた時のようにぼーっとする。

指ひとつ動かせずにいる私を、怜は満足げに見下ろしていた。

「指だけでそんなふうになっちゃうの?」

怜は愛液にまみれた右手を、私の乳房で拭った。

「…ぁあんっっ」

「くくっ、スケベなカラダ」

右手から愛液の粘りがなくなまで、私の乳房を揉みしだく。

「ぁあ…ぁあうんっ」

それからベッドサイドのコンドームに手を伸ばした。

「俺、デカいから入るかな?」

独り言のように怜がつぶやいた。

その声に視線を移すと、怜の隆起したペニスが飛び込んできた。

ホテルの薄明かりの中でもハッキリと見える亀頭のシルエット。

まるで返しがついた太槍のような形をしている。

へそにくっつきそうなほど根元から勃ち上がっていた。

「あー我慢汁すげぇや」

粘液が噴き出した先端はヌラヌラと光っていて、思わずゴクリと唾を飲んだ。

あんな大きなのが入ってきたら子宮が潰れてしまうんじゃないか、とさえ思った。

「まっ…待って…イッたばかりだから…」

「そんな心にもないこと言わないでよ」

割れ目にペニスの先端が触れた。

「あン…っっっ」

下腹部が疼く。

「ほら、ほしいでしょ」

私を見下ろす瞳は冷たく光っていた。

彼の顔からはあどけなさが消え、サディステックな雄の欲情を纏っている。

車に乗せて、と甘えるように私を見つめていた彼はどこにもいない。

「れい…くん…やっぱり少し休ませ…」

彼は私の答えも聞かずに、凶器のような男根を突き入れた。

「ぁああああんっっ!」

突然の圧迫感に自分でも驚くほど大きな声が出た。

視界にチカチカと光が走る。

「挿れただけでイっちゃったの?」

怜が喉を鳴らして笑った。

「れ…怜くん…ぬい…て」

「なんで?俺の太くて気持ちいいでしょ?」

「でも気持ちよすぎて…ぁあっ…おかしくなっちゃいそう」

口ではそんなことを言いながら、散々焦らされた挙句の果てにイカされた蜜壺は、彼のペニスを受け入れる準備が十分にできていた。

「だから…いっかいぬいて…」

「はははっ、もっと挿れての間違いでしょ?」

ズチュっ、と鈍い粘音とともに、男根をさらに奥へ侵入した。

「ぁあっあああらえぇぇっ」

彼のペニスは今まで経験したどの男よりも硬く反り上がっていた。

膣の上壁をこれでもかというほど押し潰してる。

「やっば…ナカとろっとろ」

「せ…せめて動かないで…本当におかしくなっちゃうっ」

私は懇願するように怜に両手を伸ばした。

「いいねぇ…その顔そそるよ」

怜は私の両手を掴むと、頭の上でひとまとめにしてシーツに押し付けた。

そしてイキり勃ったペニスを根元まで一気にぶち込んだ。

「ああぁっーーーーッッ!!」

私は一瞬で達した。

「奥すっげぇ肉厚。仁美さん細身なのにナカだけムッチリしてるなんてエロ過ぎるよ」

彼は私の両脚を左右に大きく開くと、構わずピストンを開始した。

「あぁあっっダメっ…!あああっイッたばっかなのに…あああぁんっ!!」

「中出ししたみたいにグッチョグチョだよ」

彼はフフっと不敵に笑い、私に覆いかぶさるように上体を倒した。

「ひぃっんッ…!!」

子宮の入り口にペニスに先端が迫る。

私は思わず腰をひいた。

「ねぇ、なんで逃げるの?」

再び、怜のサディスティックな視線が私に降りかかった。

怜は長い手脚で私の体をすっぽりと抱きかかえる。

まるで蛇が動物を捕食するときのようにギリギリと締め付けた。

「ぁぅぅっうう」

言葉にならない声が漏れる。

浅くなっていく呼吸とは反対に、膣が大きく伸縮を始めた。

「ひぐっ…はぅっ…んんああっっ」

「子宮、降りてきたね」

怜は楽しげにそう言うと、ピストンをいっそう速めた。

「ぁあひっああっむりっ…!むりっしんじゃうっ」

私は彼の両腕にホールドされ逃げることも、快感によがることもできない。

ペニスはさっきよりも深く侵入している。

「らめっっまたイクぅぅぅぅ!」

私は再び絶頂した。

それでも彼の腰は止まらない。

怜が腰を打ちつけるたびに、バチュンバチュンと派手な淫音がした。

「ああっあああやめてっ!イってるイってるからぁ!」

乳房に生暖かい湿り気を感じ、自分がイキながら潮を吹いていることを知った。

快楽に泣き喚く私に、怜が耳元でささいた。

「仁美さん、好き」

好き、と言われたのは後にも先にもこの1回だけだった。

結局、怜が最初の射精をするまでに私は数えきれないほどイカされた。

雨は翌日の昼過ぎまで降り続いた。

*****

「前に乗ってた原付、どうして捨てちゃったの?」

相変わらず窓の外を眺めている怜に聞いてみた。

「どうしてって、そりゃ新しいバイク買ったから」

「なんで新しいのにしようと思ったの?」

「なぁ、これなんの質問?」

怜は面倒臭そうにため息をつくと、ようやくこちらに顔を向けた。

「会社の先輩が乗ってるの見て、大型いいなぁって思ってたんだよ。もともとあの原付は何年も乗るつもりなかったし」

そう言うと、頭の後ろに手を組んで大きなあくびをひとつした。

私はすっかり忘れていた。

若者とはそういう生きものだということを。

愛着よりも流行りやステータスが優先され、流れ星のような速度で気持ちが変わる。

「好き」や「かわいい」の相槌みたいなもの。

私も怜と同じ年の頃はきっとそうだった。

軽薄で自分勝手で、性欲を持て余していて、それでいて目がくらむほど美しい。

私は履きかけたショーツを脱いだ。

怜の体に肌を寄せる。

「もう1回しよっか」

「どうしたの?久しぶりに俺に会って燃えちゃった?」

私は返事の代わりに彼にまたがった。

もしも私たちが初めてひとつになった夜、怜の原付バイクが誰かに盗まれてしまっていたら…。

彼は新しいバイクに乗りながら、たまにあの原付を恋しがったのだろうか。

私も早く誰かに奪われてしまえばよかったのだろうか。

「ねぇ、好きって言って」

「…好きだよ」

ほら、やっぱり見事な相槌。

でも今夜はこれで構わない。

たまたま思い出した原付で構わない。

「私も好きよ、怜」

怜の硬くなり始めたペニスに手を添えた。

もう片方の手で自ら割れ目を広げ、亀頭に擦り合わせる。

「ぁあんっ…」

あの夜みたいに獣みたいなセックスをして、疲れ果てて眠ってしまおう。

全部、淫鬱な雨のせいにして。

Fin.

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