淫靡な夢よりも激しく

・作

私の親友、年下の雄馬はバイセクシャルな恋愛体質。元カレの慎二を諦めきれない私を見かね、雄馬の部屋で宅飲み。でも、今日は雄馬の目が見れない。だって、雄馬とセックスする夢見てオナニーしちゃったから…。雄馬のペースで乱されていると、怒鳴り声が聞こえて…嘘でしょ?!なんで慎二がいるの?

前の職場の後輩で、今は親友の雄馬。

フライパンから料理を皿に移しながら、隣に立ってワインを飲んでいる私を見てる。

今日は、ワケあって雄馬の顔が見れない。

好きとかそんなんじゃなくて…。

「先輩、少しは手伝って下さいよ。そんなだから、彼氏いないんじゃないです?」

「それ言い過ぎだからね。慎二の胃袋、掴む料理、教えてよ」

「別れたのに、なんであんな男がいいんです?ほんと見る目ないなぁ…」

呆れたような顔をして微笑む雄馬の横顔を、バレないように見つめる。

こんなイケメンに声掛けられたら、誰でも付いて行くよね。

「先輩、その皿取って下さい」

あぶない…見てるのバレるとこだった。

「料理教えるって言っても、さしすせそって知らないでしょ?…ほら、スマホで調べてるし」

「わー美味しそう!いただきます!」

「はぁ…いただきます」

テーブルの向こう側に雄馬が座り、一気に緊張してきた。

「彼女の話出ないけど、最近どうなの?」

微笑んでいた雄馬の顔が、一瞬曇った気がした。

「もう別れました」

「…ごめん」

箸を置いて、謝った。

「何で謝るんですか?」

「わざわざ時間作ってもらっちゃって…」

なんで私の顔を見ながら、頬を赤らめているの?

変な風にとっちゃうじゃん。

「先輩が諦め悪いから、時間取ったんですよ?」

大きくため息をついてワインを注いでくれた。

「…ありがとう。何で慎二が別れたのか、ほんとに分かんないんだもん…」

「…鈍感…」

嘘?それって…。

「ごめん、よく聞こえなかった」

「何でもないです」

雄馬、今日変だよ、どうしたの?

いつもなら聞ける言葉が、喉に絡まって出て来ない。

「雄馬、自分の家だからって飲み過ぎ」

「いいじゃないですか。明日休みだし。片付けくらいして下さいね」

「分かってる。そういえば、男の人にナンパされたって言ってたじゃん。どうなったの?」

雄馬は急に立ち上がり、グラスを持って私の隣に座った。

「何?どうしたの?」

「言わないと分かんない?…」

「…やめ、何、触ってんの?」

私の髪を両手で触りながら、じっと見つめてくる。

どうしよ…緊張する。

「サキ先輩、いつもと雰囲気、違う…気のせい?」

「あッ…」

私の首筋に、雄馬が顔を埋めてきた。

「や、ちょっと、雄馬、大丈夫?」

「先輩…いい匂い…」

「大丈夫…んんッぁぁッ」

首筋に雄馬の熱い息がかかり、唇が触れ、下に向かってく。

「先輩の声…想像してたのと違う…」

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