10歳年下の少年野球のコーチに迫られ、久しぶりの快感に震えるシングルマザー

・作

シングルマザーとして、一人息子の健太を育てる由美。子供の成長だけが生きがいの由美は、息子の活躍を何よりも望んでいた。練習後、レギュラーメンバーに選ばれないことを抗議しに行った由美に、監督が告げた条件とは…

太陽の直射日光が眩しい。由美は冷たい麦茶の入った給水タンクをベンチに置き、今まさにバッターボックスに立った息子を見守る。

黒く日焼けした肌に、大粒の汗が浮いている。
真剣な眼差しでピッチャーと向き合う息子を見ていると、私まで身体に力が入る。
ブンッと空気を切り、カンと小気味いい音と共に、ボールが勢いよく空に飛び立つ。
晴天の空を突き抜けるボールの軌道を追いかけて、私はニコリと微笑んだ。

「こんなに頑張ってるんだもの。今度こそ健太はレギュラーになれる」

毎日、学校から帰るなり、素振りの練習をする息子は、レギュラーになることを目標にずっと頑張ってきた。
前回の試合では、レギュラーになれなかった悔しさから、さらに努力してしている息子を間近で見てきたのは私だ。
この成果なら、きっと。

夫と離婚し、シングルマザーとして、息子を育ててきた。
平日は仕事と家事に追われ、休みの日も健太の野球の応援。
35歳になった身体には、体力的に少しきつい。
けれど、健太の喜ぶ顔が見れるのなら、少しくらいの無理なんて、どうってことない。
私には健太だけ。健太の成長が私の生きがいだ。

*****

「どうしてうちの子が、レギュラーじゃないんですか?」
小学校裏のうっそうとした雑木林で、私は監督に詰め寄った。

練習後、発表された次の試合のメンバーに健太は選ばれなかった。
ショックを受けた健太が、私の慰めも拒否し、一人泣きながら帰っていくのを見て、
キュウキュウと胸が締め付けられる。
いてもたってもいられず、帰宅しようとする監督を捕まえて、私は怒りをぶちまけた。

「さっき見ていたでしょう? 健太のバッティング」
「えぇ、見ていましたよ。特大ヒットでしたね」

監督がこともなげに言ってのける。
私よりも10歳ほども若い男なのに、どこか余裕のある雰囲気がさらに私を苛立たせた。

「じゃあなんでうちの子がレギュラーに選ばれないんです? 実力はあるのにどうして…」
「奥さん」

言葉を遮り、監督が私に向かってニコリと微笑んだ。

「一つだけ、健太君がレギュラーになれる方法があります」
「それは、なんです? もったいぶらないで、早く教えていただけますか?」
「せっかちなんですね、じゃあ教えてあげます」

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