凸凹カップルの朝のセックス (Page 4)
「あぁっ…好き」
「本当お前、セックスが好きなんだな。淫乱め」
ユキは、トモの膝の上に頭を置く。彼はユキの長い黒髪を持てあそび、あぐらをかいている状態だ。ユキはトモの膝を枕にしてベッドに横たわる格好で、窓の外を見た。まだまだ朝早く、ベールのように薄いカーテン越しに青い空と朝日が見える。先程のセックスでかいた汗はかわき、シーツが熱を奪っていく。
動いたから、気持ちのいい疲れが体に滲む。
「違うよ、トモのことだよ」
「昨夜から続けてセックスしておいて、よく言うな」
「本気にしてよ」
トモの態度が、照れ隠しだってことくらいはわかっている。付き合っているのだから、好き合っていることぐらいは理解できる。
「私は、トモとのセックスが好きだな」
「へいへい、ありがとよ」
「本気にしてってば」
頭と顔をあげれば、そっと触れるだけのキスをされた。彼は不意打ちでも成功したように、にやっと笑ってくれる。
「俺も好きだ」
子どもみたいだなと思った。夜のセックスのように顔が見えないなんてこともない。彼の顔が明るく照らされ、お互いの体もよく見える。お互いが暗がりにいるからこそのいやらしいセックスもあるけれど、ユキは今この瞬間だからこそ心底思えた。
(やっぱり、朝のセックスいいな)
Fin.
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