マッチングアプリを介して知り合った男性に自分の密かな性癖を満たしてもらっちゃった

ドキドキする…
敦さん、どこかな…

駅構内で敦さんを探す。と言っても偽名かもしれないけど。
グレーのアウターにデニムと白Tシャツ、帽子は黒地にグリーンの模様の人…あっいた！

今日はマッチングアプリで仲良くなった敦さんと待ち合わせだ。

私は、恋人が欲しくてアプリに登録したのではない。
打ち明けたのは敦さんが初めてだが、“痴漢されたい”性癖を持っているのだ。それも複数人に囲まれての。

だが、見知らぬ人に囲まれるのはこわいし、全員が男の人なのは抵抗があった。
会ったことは無いが嫌がることはしなさそうな敦さんに打ち明けてみたのだ。

すると、無理なことはしない人を集められると言ってくれた敦さん達と今日会うことになっている。

｢えっと…敦さんですか？｣
｢おっ、はづきちゃん？｣
｢はい、えっと…今日はありがとうございます｣

｢ははっ、かしこまりすぎだよ。敬語はお互いナシね。友達は今日既に電車でこっちに向かってるんだ。だから俺達もそれに乗って目的の駅までだいぶ時間も取れるし、楽しめるね？｣

敦さんは、3つくらいは年上らしい。
私が24だから…27だっけ。
大人の余裕みたいなものが感じられる。

敦さんの周りに人がいないのはそういう事だったのか。
緊張する…

券売機に行こうとしたら敦さんが既にチケットを買ってくれていたので、お礼を言ってそのまま改札へ向かった。

｢はづきちゃん、心の準備はできてる？｣
｢う、うん…すごく緊張する｣

｢はづきちゃんが言ってた通り、挿入はなしで、素股はOK、だったよね。嫌がることは絶対しないから安心してね｣

｢あ、ありがとう｣

ホームに電車が来て、いよいよだ！と緊張が高まった。

満員電車の人波に押されてはぐれないように敦さんにしがみついて、お友達も乗っているレーンに乗れた。

敦さんに手を引かれ端の方に移動すると、目配せで挨拶をしている人達がいた。
敦さんを含め、男の人が4人、それと女の人が2人いた。

わたしが怖がらないようにするって言ってくれてたけど、こういう事だったのかな？
ハテナ顔で敦さんを見つめると、｢楽しめるはずだよ｣とコソッと耳打ちしてきた。

電車はすぐ動き出し、私は6人に囲まれた。