セフレの片思い (Page 2)

今、俺のもんだから。

倉田さんの言葉を胸に、賢吾と会った。

「別れよう。私、好きな人できたから」

「まだ半年じゃん。なんだよそれ」

「ごめんなさい」

頭を下げている私に、バカにすんな、と呟いて、賢吾はカフェを出た。

嬉しかった。

でも、同時に涙がこみあげてきた。

倉田さんを想う気持ち…。

三か月前の会社の飲み会。

帰る方向が一緒だから、ってふたりで帰った。

倉田さんに可愛い彼女がいるのは有名だった。

「山下さんの下の名前って、みさきちゃんだよね?」

「なんで知ってるんですか?」

「いつも終業時間ギリギリとか昼休憩なのに、領収書の処理してくれるから。ずっと気になってて」

手首を握られ、身体が小さく震えた。

「気になってたって意味、分かるよね?」

垂れた目が近づいてきて、キスされた。

倉田さんのキスは、ハイボールの匂いがした。

賢吾も同じ匂いがする。

「倉田さん、彼女、いるじゃないですか…」

胸を押して、身体を離してうつむいた。

「みさきちゃんも彼氏いるよね?忙しくて、なかなか会えてないんでしょ?」

「なんで知っ…」

「他の子に聞いたの。僕もだよ。彼女さ、雑誌の人に声掛けられて。読者モデルし始めてね…」

倉田さんは私の手を取って、行こう、と言って、少し遠くに見えているラブホテルを指さした。

*****

部屋に入ると、

「どういうのが好き?」

って、倉田さんが言った。

「よく分からないんです…変ですよね」

「可愛い…。僕に探させて」

嬉しそうに倉田さんは微笑んで、お姫様抱っこをしてくれた。

「これは、好き?」

倉田さんの首に両手を回し、頷いた。

「初めてです」

そのままベッドに押し倒されて、急に恥ずかしくなった。

「僕が初めて?嬉しいな…」

「ん、あッ…」

耳たぶを甘く噛まれ、全身の肌が粟立った。

「そんな可愛い声、出すんだ…顔、真っ赤だよ?」

ニットの上から胸を揉まれ、片方の手がスカートの中に入って太ももを撫でている。

「…みさきちゃんのせいで、僕スイッチ入っちゃった」

優しく揉んでいた手が胸から離れ、スカートに入った。

「ごめんね」

倉田さんは、私のストッキングを破いた。

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