コスプレ女とカメラ男のちょっとした邂逅 (Page 5)
陽菜は崩れ落ちそうになるのを枢木の腕に抱きとめられ、そのまま壁にもたれていた。枢木は自身のスラックスと下着を乱暴にずり下げると、一瞬の猶予もなかったのか陽菜の顔の前で爆発し、思い切り陽菜の髪や顔に白濁した粘液をぶちまけた。
「あぁ…」
陽菜は熱い飛沫を頬に受けながら、放心状態でただ呆然としていた。
その熱さや匂いで我にかえるかといえばそうでもなく、陽菜は頬についたその白濁をぺろりと舐めた。
「撮って」
同じく放心状態だった枢木の目に光がともった。
パシャッ!
フラッシュの光がまたたくと、どちらからともなく陽菜たちは唇を重ねた。
口の中に苦味が広がると同時に、自分の中に満たされていく何かを感じた。
*****
二人は余韻に浸りながらそのままスタジオでぼんやりと語り合った。
「すいませんね、なんだか興奮しちゃって」
枢木がぺこりと頭を下げた。
「いえ、それは私の方こそ…」
枢木はため息をついた。
「女性の写真撮るとすぐ興奮しちゃうからなかなか仕事にならなくて…。よく言われるんです。写真の腕じたいは悪くないけど、その癖を無くさないと仕事にならないって。でも今回は、その、よろこんでもらえたみたいだし。楽しかったです、すごく」
お互いしばらく無言だったが、やがて顔を見合わせるとどちらからともなく口を開いた。
「「また、会いませんか?」」
Fin.
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