婚約者の兄弟二人と3P〜どっちと結婚する?〜
お嬢様のマヒルは、幼馴染であり龍宮寺財閥の長男アサヒか、その弟である次男のヨル、どちらかと結婚するよう親から言いつけられている。だがマヒルは兄弟2人とも愛していた。結婚相手を選びきれないマヒルは、自身が秘めている淫らな提案を行う。
「じゃあ…3人でするのって、どうかな?」
とってもクレイジーな言葉だっただろう。マヒルは自覚しつつも、この状況を打破するためには口にするしかなかった。
(元々私はおかしいのよね。二人とも、好きなんだもの)
世間一般的には、たった一人にしか恋をしないのが倫理だ。日本は一夫一妻制だし、浮気は悪いこととされているのだから。
「私はね、アサヒも、ヨルも好きなの。どちらか、決められないの」
マヒルは、ただ事実を告げた。マヒルの部屋にいる彼らは神妙な顔で互いに顔を見合わせる。
「まだヨルなんて好きなのかい?マヒルは。ファーストキスをヨルに奪われた驚きを恋と勘違いしているんだよ」
マヒルと向かい合う男性は、猫のような目を釣り上げて、ハンッと笑う。高貴な猫のようにさらさらとした黒髪の、26歳の男性。
彼は、龍宮寺アサヒ。龍宮寺家の次期社長と期待されている龍宮寺財閥の長男だ。
「兄さんはイケメンだからさ、恋するのはわかるよ。でもさ、結局長男と結婚なんて苦労するだけだよ?マヒル」
そしてアサヒの隣りにいるのは、癖のある天然パーマの髪の男性。特徴的なタレ目で、どこか犬っぽい穏やかさがある。
龍宮寺財閥の次男の龍宮寺ヨルは、マヒルと同じ22歳。
「でも、私達って幼なじみでずっと一緒にいたじゃない?大学卒業したらどちらかと結婚しろっていわれて、二人と別々にデートもしてきたけど、決められないよ…」
マヒルは、旧華族の血を継ぐ華道の家元に生まれ、龍宮寺の屋敷の隣に住んでいた。隣同士の2つの家は親交があり、互いの子ども同士を結婚させようとしているのだ。
『マヒルがどちらと結婚したいか決めなさい』
マヒルの両親は、マヒルに決定権を渡した。これがまた厄介で、マヒルは2人のことが同じくらい好きだから、決められないまま期限の大学卒業を控えている。
「どちらともキスしたけど、決められなかった。あとはさ…体の相性ってやつで決めるしかないんじゃない?それこそ長い付き合いになるなら、結婚前に知りたいの」
「いやー?それは俺さ、するのはやぶさかじゃないけど、別々でもいいんじゃない?」
「だってアサヒが先か後か気にするよね?だったら、3人でしたほうがいいと思うの」
言いながら、実はマヒルはドキドキしてた。秘処がじゅくりと蜜をたらす。
3人でしたいというのは、マヒルの欲望であった。2人と互いにデートし、手を繋ぎ、唇を重ねてきたが、2人だけではいつも何かが足りなかった。
幼なじみとして過ごしてきたのは、3人だ。3人で肌を重ね合わせられたら、いつも足りなかったなにかが、埋められるかもしれない。
マヒルは、淫らではあるが淡い期待を持っていたのだ。
「まぁ…僕は凄く嫌だけれど…でもヨルに先を越されるのは、もっと御免だ」
「俺も嫌だよ。でも、その兄さんの意見には同意する。また先を越されたとか、俺も言われたくないし」
マヒルの目論見通りであった。2人は何だかんだでマヒルに甘く、そしてお互い先を越されたくないという競争心がある。すでにファーストキスはヨルが奪った今、競争心には火がついている。
(2人ともその気になってくれて、嬉しい)
これでマヒルの淫らな欲望は、発散できるのだろうか。
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