知らないおじさんが教えてくれた二人だけの秘密の快楽 (Page 2)

リカはバッグを元の位置に戻すのを諦め、最寄駅まであと何駅なのだろうかと遠くなってしまった車内のモニターに目を細め視線を向ける。
あと7駅。着実に近づいてはいるがまだまだかかる。

他人が触れ、無駄に動いてしまい不快ではなかっただろうか。
ふと反省し、奥の方に目をやったついでに目の前のおじさんの顔を確認する。

リカの視線に気づいたおじさんは軽く閉じていた瞼を開け細める。
どうやら怒ってはいなさそうだが、乾いた唇を一舐めする仕草が不気味に感じた。

しばらくリカの手は変わらず居心地の悪い位置にあって、先程よりも汗ばむくらいに熱をもった何かと触れ合っている。
乗客も減っては増えを繰り返してずっと混み合ったままなので車内も一層蒸し暑くなっていた。

ふと、人混みの暗がりに紛れた紺色のスカートが動くのを衣擦れの音と太腿の感覚とで感じる。
もう、近くにいる人とは身体が触れ合ってしまうくらいには混雑しているから気にするほどのことでもないと思っていた。

が、なんだか様子が違う。
何か物を動かす際に触れてしまったとか動いてしまったとかではなく、なんだかもっと直接的な…でもさりげなく撫でるような恐る恐るとした手つきだった。
布越しから、肌の感触を確かめるようなそんな手つき。

太腿を下から上へとツーっと指が辿っていくのを感じる。

そしてその指は外側から内側へと滑っていき布越しにたぷたぷとリカの柔らかな肌で遊んでいる。
そこから両腿のちょうど真ん中の溝に、指が触れるか触れないかくらいの距離感までじりじりと近づいていく。

リカはぞわぞわっと疲れていた身体が一気に目覚めるのを感じた。

え、これってやっぱり痴漢、だよね…?
混みすぎていて誰に触られているのか特定ができない。近くにいるのはすべて男の人だったし、誰かわかったとしても声を上げる勇気もないし逃げ場もない。

どうしよう…
怖くて顔も上げられずにそう思っている間も、その手は先程よりも確かな手つきでリカの下半身に静かに触れて楽しんでいるようだった。

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