知らないおじさんが教えてくれた二人だけの秘密の快楽

・作

社会人になったばかりのリカは毎日謝ってばかりの憂鬱な日々を送っていた。今日も満員電車に揺られて大好きな彼氏の待つ家へと帰る。でもそこで知らないおじさんに触られ、怖いはずなのにもっともっとと快楽が欲しくなり…?

リカは連日の出勤により少しくたびれてきたジャケットを羽織り会社を出た。

大学を卒業してから数ヶ月、即ち社会人になってから少し経ったあたりで、だいぶ新しい生活にも慣れてきた。
新入社員としてできることといったら明るく元気に。
そう思いつつ無理矢理自分に気合を入れて出社するのは、本当の気持ちとはチグハグな感じがしてなんだかもどかしかった。

生活リズムには慣れても緊張続きの毎日。
今日も怒られちゃったな。自分自身の不甲斐なさにふぅっと軽く溜息をついて電車に乗る。

3駅あたりが過ぎた頃から人が増えて車内は混雑してきた。

慣れないヒールに窮屈そうに収まる足がパンパンだ。座りたい、座れなくてもいいから早く帰りたい。

そう思っていた矢先、キキーッとブレーキがかかり、前のめりになって別の乗客にぶつかってしまった。
「すみませんっ」と謝ると、その気の強そうな女性は怪訝そうに眉をひそめ外方を向いてしまった。

そして案の定、緊急停車を告げるアナウンスが車内に流れる。
本当にツイてないなあ、会社でも電車でも謝って何やってんだ私。

数分経つと、運転再開されるとのことでまたアナウンスが流れホッとする。

のろのろと電車は動き次の駅まで私たちを運んでくれたが、そこにはいつも以上に人が並んでいて、ドアが開いて数名が降りると、堰(せき)を切ったようにたくさんの人が流れ込んできた。

リカもその土石流のような人混みによって連結部分の壁際に押し寄せられてしまった。
体重を預けられるので楽ではあるが、逆に目の前にいる人の体重もリカにのしかかる。

うぅ…思わず声が漏れる。
満員電車では仕方のないことだが、息苦しさも相まってなかなかにしんどい。

目の前の50代くらいのおじさんと向かい合わせになっていて、身体が触れ合ってしまっている。
ゼロ距離の気まずさに耐えられなくなり視線を落とす。

先程人混みに揉まれた勢いで肩からトートバッグがずり落ちてしまい、なんだか腕の位置も居心地が悪い。人との間の少しの隙間を見つけ、もそもそと位置を修正しようとした。

が、なかなかうまくいかない。
隙間があったはずなのに、何やら硬いものが当たって滑りが悪くなってしまっている。
何度か試してみるうちにさらにそれは硬さが増し、じっとりとした熱を帯びてきていた。

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