ソノ年下男性、甘イ棘アリ (Page 3)
自販機が並ぶ前でタクシーが停まって、お金を払おうとバッグに手を掛けると、
「いいから、先に出て」
っていわれた。
アキラくんもタクシーから出ると、
「カオルさんさ、俺になに期待してんの?」
突き放すようなこといって、私の手を引っ張ってラブホテルに入った。
「期待してないよ。ビックリしただけ…」
アキラくんはジャケットからハンカチを出すと、雨に濡れた私の髪を不器用に拭き始めた。
「…いいよ、そんな濡れてないし、私自分でやるから」
バッグからハンカチを出そうとすると手を止められた。
「俺がしたいの。これくらい、させてよ」
優しい声に、胸が高鳴った。
だって、ここラブホテルだから…。
「風邪引くといけないから、部屋行こう」
「そんな顔して笑わないで…」
「俺、変な顔だった?」
そんな優しい顔されたら好きになるじゃん…って言葉を飲み込んだ。
*****
いつキスされるんだろう…
部屋に入って、洗面所で髪をきれいに乾かしてくれた。
私がベッドに座ると、アキラくんは冷蔵庫からハイボールを取って、ソファに座った。
「カオルさん、何飲む?」
「え?」
「お腹空いてる?何か頼もうか?」
私の驚いた顔がよっぽど面白かったのか、アキラくんはソファに寝転んで笑い出した。
「え、私、そんなおかしいこといった?」
ベッドに座っていると誘ってるようで恥ずかしくて、冷蔵庫から缶チューハイを取り出して、
「ちょっと、脚どけてよ」
ソファを占領してケタケタ笑ってるアキラくんにいった。
アキラくんの長い脚を降ろして、ソファに座って缶チューハイを飲んだ。
「カオルさん、カオルさん」
涙を浮かべた目を擦りながら、アキラくんが起き上がった。
「何よ」
「本当…俺の好み」
缶チューハイを取り上げて、キスされた。
「待ってたんでしょ?俺がキスすんの」
いい返そうとすると、アキラくんは、私のうなじを掴んだ。
「カオルさん、彼氏いるでしょ?」
「…別れた」
「いつ?」
アキラくんの甘い息が顔に触れる。
「今日…アキラくんは?」
「今日って…俺に会う前にセックスしたの?」
「な、…してないよ。アキラくんは彼女…」
アキラくんは冷たい目で私を見た。
「彼氏さんのための下着だったんだ?…悔しいな」
「なん…」
唇が重なり、アキラくんの舌が入ってくる。
ハイボールの味が微かにして、私はまたパンティを濡らす。
急かすように舌を絡ませ、焦れていた私もアキラくんに応える。
唾液の音と、甘い息が、時折離れる口の間から漏れる。
唇が離れ、身体がフワッと浮いた。
私を抱き抱えて、ベッドを通り過ぎてバスルームに入ると、私を降ろした。
アキラくんは微笑みながら、私の服を丁寧に脱がした。
ブラジャーとパンティ、網タイツにガーターベルト姿の私にいった。
「俺の服も脱がしてよ」
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