彼氏に内緒のアルバイト
同棲中の彼氏に嘘をついて菜緒が出掛けた先は、とあるラブホテル。そこでセフレの涼士と彼女がすること──それは、性行為のライブ配信だった。今夜のリクエストは『背面座位のアナルセックス』。彼氏とは到底できないプレイで乱れる菜緒は、羞恥を感じながらも酷く興奮してしまい…
「じゃぁ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい、バイト頑張ってね」
岩瀬菜緒、21歳フリーター。昼は週5でコールセンターのアルバイト、夜は週3でレストランのキッチンスタッフ。と、同棲中の彼氏である河原誠人には話しているが、コールセンターのアルバイトは週4日。水曜日、つまり今日は実際には何も仕事のない休日なのだ。
「今から行くね、っと」
彼氏に嘘をついて出掛ける理由、それは菜緒がしている『もう一つのアルバイト』にあった。誠人はあと1時間ほどすると彼自身の仕事のために出勤し、遅番になるため帰宅は22時近く。それまで菜緒がどこで何をしていても、誠人にはわからない算段だった。
「おまたせ」
ホテル街にほど近いコンビニで菜緒が声を掛けた相手は藤沢涼士──マッチングアプリで出会って以来、一緒に『アルバイト』をするセックスフレンドだ。
「今日のリクエスト、こんなの」
「うわぁ、結構ハードだね」
「まぁその分、金も弾むから」
二人が行っているのは、性行為のライブ配信。専用のアダルトサイトに配信者として登録し、有料会員からのリクエストを消化することで報酬を得る仕組み。どのリクエストを受けるかは涼士が決め、アダルトサイトとのやり取りも彼が担っている。そして菜緒とはSNSで全くの他人のような振りをして隠語でやり取りを交わしあい、今日のように『アルバイト』の予定をたてていた。
「俺、先にシャワー浴びるわ」
首から下のみの配信だが、万が一映り込んでしまっても顔認証機能によりボカシが入る仕様となっている。そして撮影場所は、平日昼間の閑散としたラブホテル。真面目な誠人はこのようなアダルト配信を見るタイプではなく、菜緒はかれこれ一年以上、このえっちなアルバイトを続けていた。
「じゃぁ、始めよっか」
「今日の私の下着、珍しく白じゃん。なに? 清純派に路線変更?」
「これもリクエストに入ってたから」
コスプレ衣装や下着、アダルトグッズに関するリクエストも多く、それらの手配も涼士が行っている。菜緒は誠人と同棲している手前、見慣れない物品を自宅に置くのは避けたかったため、涼士に任せているというのもある。用意された純白のブラジャーとパンティーに着替えた菜緒は、慣れた様子でカメラの前へと腰をおろした。
「こんばんわ~」
「見てくれてありがと~」
ライブ配信自体は平日昼間であるがアーカイブは残るため、翌朝までの閲覧数はかなりの数になる。涼士と菜緒のアカウントはフォロワー数も比較的多く、サイト利用者からの反応によっては報酬が上乗せされることもあった。
なんだか
まるで配信を
のぞいている感覚になりました
次回も見たいです
バイバイ
塁 さん 2022年5月1日