7年目の逃避行  (Page 2)

  

陵治に渡された新しい白いスマホが震え、瞳は手袋をした手で取った。

走って広いキッチンに行き、下の扉を開けてボストンバッグを持った。

『中村財閥の御曹司 中村貴史を詐欺容疑で逮捕』

瞳の頭の中は、ポケットに入れたスマホの文章で頭がいっぱいだった。

使っていない部屋に入ると、着ていた服と靴下、黒いスマホをゴミ袋に入れて、用意していた服に着替えた。

新品のスニーカーを履くとソールにビニールを被せて寝室に入った。

丁寧に枕カバーやベッドカバーを取って次々とゴミ袋に入れていった。

陵治は、ふたりに火の粉が降りかからないように貴史の悪事をマスコミにリークするこの日を、慎重に準備をしていた。

玄関に荷物を置くとスマホが震え、涙をにじませながら通話をタップした。

「陵治、ありがとう」

「瞳、すぐ降りて」

瞳は、ドアを開けて一歩外に出ると、スニーカーに被せていたビニールを取って、目の前のエレベーターに乗った。

*****

大雨と強風の中、ふたりは空港が見えるホテルのベッドに裸で抱き合っている。

陵治は、自分の腕の中でウトウトする瞳の髪を撫でていた。

ビクッと体を揺らして目を覚ました瞳は、陵治の胸の中で顔を眺め、無精ひげに優しく触れた。

「ずっと剃ってなかったな…痛くなかった?」

「大丈夫。陵治、忙しかったから…本当にありがとう」

瞳は、陵治の首筋に唇を這わしながら、まだ熱が冷めない身体に跨った。

大きな手をふたりの身体の間に滑らせた陵治は、瞳の柔らかな胸を揉み上げた。

「あぁッ…はあぁ…陵治」

「ずっとこうして瞳を抱きたかった…」

瞳は陵治の身体に跨ったまま身体を下げ、舌先で乳首を舐めながら、反り返って愛液で濡れているソレに手を伸ばした。

「いっぱいしたのに…こんな、硬い…」

瞳の甘い吐息は陵治の脇腹に溶けていき、ふたりの身体を熱が包んだ。

「瞳と、いつでも…したいときにできるからじゃない?」

そういって、陵治は瞳の身体を抱きしめ、ベッドに押し倒した。

「いつも服越しだったよな…想像してた瞳の身体…すごく…奇麗だよ」

陵治は、瞳の柔らかな髪を鼻先で掻き分け、耳たぶにキスをし甘く噛んだ。

「あァっ…陵治っ…あぁアあん」

瞳の耳を陵治は舐め、胸から手を離し下腹部に置き、焦らしながら秘部に向かった。

「瞳、さっきより濡れてる」

陵治は、蜜で濡れている瞳の秘部に手を伸ばし、濡れている入口を指先で触りながら中へ入れていった。

「ぁあっ、あぁああ…はぁッ…ぁあん…んっ」

「瞳ごめん…我慢できない…」

陵治は、濡れた秘部から指を引き抜いた。

硬いペニスの先端を、濡れた秘部の入口に押しつけ、喘ぐ瞳の中にゆっくりと入った。

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感想・レビュー

1件のレビュー

7年目の逃避行 のレビュー一覧

  • まるで

    サスペンス劇みたいで
    うっとりしました
    続編を希望します

    2

    麻奈美 さん 2022年4月23日

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