人気俳優のペットは優しく従順な女性でした
人気俳優の時雨竜騎(しぐれりゅうき)は、由菜という女性を飼っている。外出を禁じ、隷属を誓わせた彼女と行うサディスティックな性行為。そして優しさと包容力で時雨を癒し、彼の全てを受け入れる由菜。由菜さえいればいいと時雨は甘え、日常のストレスから逃避するように彼女のことを抱いて…
今をときめく若手俳優、時雨竜騎。ヒーロー戦隊作品の主役で人気に火がつき、恋愛ドラマに医療ドラマ、さらにはアニメ映画のゲスト声優なども。そして動画サイトの企画が発端となり来月には歌手デビューと、多忙を極めていた。
「おかえりなさい」
「ただいま、今日も疲れたよ」
そんな彼の、特別な秘密。それは、一人の女性を『飼っている』ということ。恋人でも愛人でもなく、隷属を誓わせたうえで自宅マンションでともに暮らしている。
「由菜、ご飯食べた?」
「食べたよ」
「俺も外で食べてきたからさ、シャワー終わったらえっちしよ」
彼女の名前は由菜。時雨と同い年の22歳で、黒髪に凡庸な顔立ちとプロポーション。由菜はこの部屋から出ることや時雨との関係を口外することを禁じられてはいるが、日常での身体的拘束はない。また時雨にへりくだることもなく、家事は最低限の洗濯と簡単な掃除程度のみだ。そして由菜の食事や日用品は、時雨のマネージャーが用意して届ける日々。つまり彼女は奴隷というよりもむしろ、猫か何かのような風体で過ごしていた。
「そんでさぁ、プロデューサーのダル絡みが半端なくてさ…」
「うんうん、大変だったね」
「マジな、それも仕事だけど」
「竜騎、頑張ってるね」
「あとバラエティの無茶ぶりとかも、俺じゃ面白いこと返せないのわかってるだろって。そんで微妙な空気になったとこ、芸人さんに拾ってもらう展開もう飽きたっていうか」
2人で一緒にシャワーを浴びながら時雨の愚痴を聞く。それは由菜の役目の1つだった。ひたすらに聞き役にまわり、アドバイスはせずに優しく労る。時雨が一方的に喋り、由菜はともすれば定型文のような応答をするだけにも等しい時間だったが、時雨はそれで十分なのだ。
「ファンも俺に夢見すぎだって」
「芸能人は辛いね」
「ほんと、それ」
時雨は別に、芸能活動や己に与えられる全ての仕事を嫌っているわけではない。けれども、面倒が多すぎる。とにかく時雨で稼ぎたい魂胆が透けて見える事務所社長、時雨の活躍に乗じて出世を目論むマネージャー、やっかむ同性に言い寄る異性、一部の過激なファンやSNSでの無責任な誹謗中傷。
「由菜がいればいいよ、もう」
愚痴の締めくくりは、決まってもいつもこの台詞に落ち着いた。由菜はそんな飼い主の頭をそっと撫で、素肌を添わせるように抱き締めて静かに言う。
「全部忘れて、由菜で気持ちよくなってね」
*****
「ン、く…ぅ…」
全裸の由菜には首輪とリード。時雨の股ぐらにうずくまるようにして口淫を施す彼女は、目尻を垂らしてくぐもった声を漏らしていた。小さな唇で時雨の竿を咥えこみ、顎まで涎が垂れるのにも構わずに、ただひたすらに奉仕を続ける。
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