シックスナインは嫌だって! (Page 4)

「今日の秋芽は…すごい…乗り気なんだね」

春樹は恍惚としたように囁いた。秋芽を見る彼の目はうっとりとしていて、自分にべた惚れなことがすぐにわかる。というか、少し不穏ささえあるようにも思えた。

「…はい。今日は春樹さんを私が…」
「でもね、秋芽。僕はさ、大好きな君にね、もっと感じて欲しいんだよね…」
「…春樹さ…ひゃっ…!!」

後ろから尻を揉まれ、秋芽は身体を跳ねさせる。バスローブに隠された臀部を揉む手つきに、秋芽は先週の彼とのセックスをフラッシュバックし、羞恥に顔を赤らめる。

(や、もうあれは…!)

「春樹さん、これは…やっ…!これぇ…ん…だめぇ…!」

秋芽は顔を春樹の胸に押し付け、声をおさえようとした。だが、与えられる刺激は臀部を揉まれるだけの刺激ではない。臀部を揉まれながら、膣をなぞられているのだ。

(だめだめだめ…!こんな…)

彼の胸板の乳首を愛撫できれば手はとまるのだろうか?今顔を胸に押し付けている状況では、自分が手を動かすことなんてできる訳がない。

「ああ…秋芽…可愛い。イッちゃってもいいんだよ?何度だってイカせてあげる。今日はそのために色々とね…」
「んぅぅ…!いや…!下着の中に手ぇいれないで…私…それぇっ…!」

春樹の手が秋芽の下着の中に侵入してくると、すぐに彼の太い指先は膣の入口を確かめる。濡れ蜜をすくいとり、彼はごくりと唾液を呑み込んだ。

「秋芽…本当感じやすいんだよね。普段はツンとしているくせに、こんな感じやすくてエロいって、反則だよ」
「う…んんんんん…そこは…だめぇ…!」
「そこって、どこ?僕は君がいつも感じるように、感じる触り方でしか触れていないよ」

急な意地悪モードは反則だ。男が多い場所で過ごすことが多かった秋芽は、下品な言葉は使わないようにと躾けられてきた。だから自分がいじられている部分の名前を言うことを強いられていることに、秋芽は強い羞恥心を覚えた。

「いいよ、イッて?見ててあげる」

イキたくないと強く思った。だが股の突起に触れる手は止まってはくれず、何度も何度もなぞられ、こすられれば、絶頂を迎えない訳がない。

「…っぅ!」

秋芽は唇を噛みしめ、声を押し殺した。しかし身体は正直で、びくりびくりと大きく震えてしまう。下半身から全身に伝わる甘い熱に浮かされ、秋芽はシーツに爪をたてる。彼は秋芽の姿を見て、甘く吐息を零す。

「もっ…春樹さん…っ!」
「まだイケる?」

春樹の手は、まだクリトリスから離れなかった。緩やかな刺激を与えられただけなのに、秋芽は大きく体を震わせ、顔を横に振る。その様子にすら春樹は興奮しているらしく息を荒くさせる。彼からの熱い視線と、ねちっこい愛撫に、秋芽は限界を感じてのけぞる。

「…春樹さん…っ!やぁっ…!いやっ…!」

もう嫌だ。そう思った直後、秋芽はついに春樹の身体を押しのけた。腰がビクリビクリと甘い余韻に震えるが、秋芽は最後の気力で彼の愛撫から逃れられたのだ。

秘処の奥から、太ももにたれていく蜜を感じ、秋芽は己の身体のちょろさに辟易する。

「秋芽…?何か、痛かった…?」
「…いいえ、そうではなく…私ばっかりではずるいように思えたので、私にもさせてもらえませんか?」

押しのけられて驚いている春樹に、秋芽はにっこりと気丈に微笑んで見せた。

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