ただ今は愛されたい (Page 7)
「ふ…んぅ…はぁ…っく…んん…ふぁ…」
「んっ…俺ももうイキそう…」
「ん、んん!んー!」
ピッタリとくっついていた体が離れていく。
そして彼の表情が歪んだ瞬間、ポタポタと腹部に生温かい液体が垂れてきた。
幸せだった一時がそうして終わった。
私は終わった瞬間、幸福感のある疲労と同時に罪悪感を感じたのだった…。
*****
彼は全てを終えると、再びおいでと隣に誘ってきた。
そしてそのまま彼に腕枕されることに。
この状態だと、彼の心臓の音がかなり聞こえてくる。
その距離感や心臓の音が心地良くて、まるでこれは夢の中なんじゃないかとさえ思ってしまう。
「これが全部夢だったらどうしよう…」
「夢じゃないよ。俺達は確かに一緒になったんだ」
「でもまだ奏太と別れてないのに良かったのかな…」
「藍花を大切にしないあいつが悪い。でも俺、あいつに殴られてもいいと思ってるよ。それくらい藍花が欲しいんだ」
「海人…」
私達はいけない一線を超えてしまった。
例え冷めきった関係だったとしてもまだ恋人がいる状態なのに、こんなことになってしまったのは許されることではないだろう。
奏太はどう思うだろうか。
怒り狂うのか、それとももう愛が無いから何も思わないのか。
どうなるのか分からない…。
それに奏太と別れて海人と一緒になったとしても、数年後同じようにお互いに冷めてしまう可能性だってある。
でも、それでもいい。
今はただ私を愛してくれる人の傍に居たい。
私は未来のことを考えるのを止めて、彼の胸元で静かに眠りについた…。
Fin.
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