ベルサイユの君に恋してる~男装カフェの最推し~ (Page 6)
1ヶ月後。
仕事を終えたまりは幸せな気持ちで駅に降り立った。急ぎ足で改札をぬける時も、幸せな気持ちしかなかった。SNSで届いたメッセージで、改札の前で待っている人がわかっていたからだ。
「ルイくん!」
改札を出たところにいたのはルイくん。かつての金髪は黒く染まっていて、すぐにまりに向けてくれた目も自然な黒だけれど、間違いなくルイくん。
まりの恋人だ。
「もぅ、まりちゃん。ルイくんじゃないでしょう?」
「えへへへ、ついつい」
自然とまりはルイくんの腕を取り、抱きしめる。黒いジャケットの私服姿は、そこらの男などよりも余程格好いい。
「今日まりちゃんが家来てくれるからロールキャベツ作っといた」
「え、嬉しい!時間かかるもの作ってくれたんだ!」
「来週までは、次の仕事の勉強をしているだけだからね。まりちゃんに尽くす時間はたくさんあるんだよ」
ルイくんの手が腰にまわされる。
にっこりと微笑んでくれるルイくんと付き合って、まりはこの上なく幸せだ。
1ヶ月前は、一方的なまりの片思いだと思っていたのに。
「今夜も尽くしてあげるね、まりちゃん」
「ん…ルイくんのエッチ…」
「だからルイじゃないって。しかも、何をとは言ってないよ」
仕事の後に、たった1人まりのために尽くしてくれるなんて。
今からもう、まりの秘部は濡れてしまう。せっかく作ってくれたロールキャベツよりも先に、まり自身が食べられてしまいたい。
「うん…ういちゃん」
まりは、恋人の池本ういの腕を強く抱きしめる。
池本ういは、まりの最推しだ。
Fin.
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