憧れの先輩とHな休日出勤

・作

ある日私は繁忙期でもない時期に、自分のミスが原因で休日出勤をしていた。誰も来ないと思って1人で黙々と仕事をしていたら、突然憧れの先輩も出勤してきて、2人きりで仕事をすることに。真面目に仕事をしようとしていたのに2人は変な雰囲気に…。そのまま私達は誰もいない職場でいけないことをし始めて…。

土曜日の昼下がり、私は職場でパソコンに向かっていた。

周りには私と同じように休日出勤をしている人はいない。

今は別に繁忙期でもなんでもないため、わざわざ休日出勤する人もいない。

なぜ繁忙期でもないのに休日出勤してるのかって?

それは私が昨日、完成間近だった資料を間違って消してしまったからだ。

だから今こうして1人で資料を作り直ししている。

「あーあ…せっかくの休日なのに…」

朝から作っていた資料は約半分ほどまで出来上がった。

残り半分。

人がいないのは寂しいが、逆に捗るから良いのかもしれない。

再度パソコンに向かおうとしたその時…

ガチャ

「ん?誰だろう?」

突然職場のドアが開いた。

「あれ?羽間(はざま)さん?」

「沢田先輩!?どうしたんですか?」

「どうしたも何も休日出勤だよ。今日は羽間さんだけなんだ」

突然入って来たのは、先輩の沢田侑(さわだゆう)だった。

先輩はルックスが整っている上に、仕事もできるため会社内でも密かに人気がある。

そんな私も憧れている1人だった。

まさかそんな先輩と2人っきりで休日出勤することになるとは…。

カタカタカタ

2人しかいない職場にはひたすらキーボードの音が鳴り響いている。

特に会話もないまま30分が過ぎようとしていた。

2人きりとは言え、気軽に話しかけられる雰囲気でもなかった。

私はドキドキを抑えながら、ひたすら自分の仕事に集中していたのだ。

「なんか誰もいない職場って特別感あるね」

沈黙を破ったのは先輩だった。

「そ、そうですね!いつもは何人かいるのに今日居ないみたいですね…」

「まぁ、忙しくない時期だもんな〜」

「私と2人きりってつまらないですよね…!」

「いやいや、その逆。寧ろラッキーだよ。俺さ、ずっと前から一華ちゃんのこと気になってたんだよね」

前から私のことを気になっていた…?

あんなにかっこいい先輩が…?

しかも今まで苗字でしか呼ばれたことがなかったのに、初めて下の名前で呼ばれたのだ。

私は突然の名前呼びと、先輩の言葉にドキドキしてしまう。

仕事に飽きてちょっとからかってみたくなったのだろうか…。

「先輩!冗談やめてくださいよ!先輩が私をなんて…有り得ないじゃないですか!」

「冗談じゃないよ。一華ちゃん可愛いし、みんなが気付かないような所まで気付いて、自分から積極的に動いている所とかすごくいいなって」

私が頑張ったところで誰も見てくれていないと思っていた。

でもちゃんと見てくれている人がいたんだ…。

「あ、ありがとうございます…」

「だからさ、今日もまさかの2人っきりだったからかなり緊張してるよ。最初喋らなかったのもそのせい」

ただ仕事に集中しているだけかと思っていた。

しかし先輩も自分と同じように緊張していたのを知って、私は嬉しかった。

「あっ、私…こ、コーヒー淹れてきますね!先輩も飲みますか!?」

私は恥ずかしさのあまり、話を逸らしてしまった。

「あ、うん!じゃあもらおうかな」

「待っててください!!」

私はコーヒーを淹れるため、駆け足で給湯室に向かった。

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