ベッドの中ではいじわるな騎士長様 (Page 3)
「久しぶりだから、ゆっくり」
そう言いながらレイルは中に入ってきた。
ピチャっと水音がし、温かい感触と圧迫感がマリーローズを襲う。
「や…おおき…」
マリーローズの言葉に、レイルのそれはさらに怒張する。
「むっ無理だって…興奮しないでよ…」
「マリーが可愛かったから、つい」
か細い声に呼応するように、優しくレイルは言った。
ゆっくりと確かめるようなストロークが、やがて激しくなる。
「ねぇそこダメ」
弱い所をこすられて、思わず声が出てしまう。
「どうしたんですか?」
「ダメってばぁ」
息が荒い。
身体が熱い。
「どうして?」
「だから…ダメなのぉ」
「ダメじゃなく、『好き』ですよね」
「すっ好き、そこ、好き、好きなの…だから」
「『もっとしてください』ですね。わかりました」
「…!ちがっ…」
最後の言葉はレイルの唇に阻まれて声にならなかった。
何度も繰り返される優しいキス。
押し寄せる快楽の波にのまれながら、何度目かの意識を手放したとき。
「愛してます。マリー」
そう言いながらレイルも果てた。
*****
楽しい時が過ぎるのは残酷なほど早い。
だからこそ、1秒も無駄にしたくない。
身支度を整えたマリーローズは、鏡に向かってつぶやいた。
「よし、完璧ね」
「そうですね。今日もお美しい」
思わぬ言葉に振り向くと、レイルが起きていた。
「あっありがとう…早いお目覚めね」
(やだ、恥ずかしい…聞こえてたなんて。)
「それを言うならマリーこそ」
「私は支度に時間が掛かるから」
ドキドキして窓に目をやると、馬が駆けてくるのが見えた。
「あれは、騎士団の…」
声のトーンが自然と低くなってしまう。
「あぁまた何かあったようですね」
それを聞いてレイルが立ちあがる。
「大丈夫です。すぐに帰ってきます」
(心にもないことを。)
と言いかけて飲み込む。
仕方ないけど。
大切なお仕事だし。
「お慕いしております、僕のお姫様」
耳元で急にささやかれて思わず振り返る。
重なった唇は、2人の思いを示すように熱かった。
Fin.
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