帰省の夜は甘くて淫ら (Page 2)
「私たちって、体の相性よかったんだね」
私は下着とワンピースを身につけると悪戯っぽく言った。
「急に何言い出すんだよ」
「わかるでしょ?それに私、連続でイったの初めて」
「っ…そういうこと、さらっと口に出すなよ」
遼介はまた頭をかきながら恥ずかしそうにうつむいた。
「だって本当なんだもん。すっごい気持ちよかった」
私はベッドに腰掛けると、遼介を覗き込んだ。
男らしい二枚目の顔が、ほんのりピンクに染まっている。
「遼介、照れてんの?」
「うるせぇ」
私は急におかしくなって、笑いながらベッドに転がった。
「笑うなよ」
「だって遼介かわいいんだもん」
「かわいいとか嬉しくないし」
遼介が睨むように私を見下ろした。
「Hを褒められて照れちゃうなんて、相変わらず遼介は硬派だね」
「俺って昔、硬派だったか?」
「うん!びっくりするくらい無口で照れ屋で硬派だった」
私は頬に小さなニキビがある、あの頃の遼介の顔を思い出した。
10代の終わり、私たちは半年間だけ付き合っていた。
当時私は、上京資金のためにバイトに明け暮れていた。
遼介は家業である造園の仕事をしていて、友人の紹介で私たちは知り合った。
彼はあまり体を求めてこなかった。
筋肉質で男らしい容姿をしていたので、思わず拍子抜けしたのを覚えている。
上京が決まり別れを切り出した時も、遼介は「わかった」としか言わなかった。
私の記憶の中で、遼介は硬派だけでなく淡白な男として今日まで記憶されている。
だからこんなに激しく抱かれるなんて、私は想像もしなかった。
「そんな遼介がこんなにHだなんてねぇ」
私がニヤニヤしながら腕を突くと、遼介はまた顔を赤らめた。
「あ、あの頃は…女の子にどう接していいかわかんなかったんだよ。実家は男所帯だし、造園業って野郎ばっかりだし…」
それから顎が胸についてしまうくらいうつむくと、
「好きなやつなら尚更だよ」
と、小さく言った。
「”好きなやつ”って私のこと?」
「他に誰がいるんだよ」
私の問いに、遼介は呆れたように答えた。
レビューを書く