10年越しの想いが今

・作

共通の友人の結婚式で10年ぶりに幼馴染みの潤と再会した風花。潤は相変わらずイケメンでモテモテ。何も言わず会場を後にした風花を追いかけた潤は10年越しの想いを告白した。イケメンなのにぎこちない潤が可愛くて、誘われるがままホテルに。ホテルで見せる潤の表情にキュンとさせられっぱなしの風花。

数年ぶりに会った潤は、変わらずカッコよかった。地元を離れて10年。

中学の同級生の結婚式で10年ぶりに再会した。

潤とは家が近所で幼馴染み。小さい頃から高校までずっと一緒だった。

私は潤が好きだったが、潤は彼女が切れることがなく潤にとって私は対象外。そう思って告白せず地元を離れた。

10年ぶりに会った今もカッコよく、女性陣に囲まれている。

昔のこととはいえ、好きだった人がモテるのを見てるのはなんとなくモヤっとする。

早々に退散しようと、式が終わると新婦に挨拶をして会場を後にした。

“飲み直そう”そう思って駅ナカのカフェバーに入った。

今は感傷に浸って、部屋に帰ったらいつもの生活に戻るだけ。

28歳にもなればおひとり様も慣れたもの。

カウンターでビールを飲み始めた。

「すいません、ビール1つ」

真後ろから声がして驚いて振り向いた。

「10年ぶりの幼馴染みに一言もナシで帰るなんてありえないでしょ」

懐かしい潤の怒った声。

「忙しそうだったから。相変わらずモテますね」

「茶化すなよ。ずっと話したかったんだぞ」

深い意味がないのはわかっている。でも好きだった人にそんなふうに言われたらキュンとしてしまう。

ビールを飲む姿を横目で盗み見る。やっぱりカッコいい。

「風花、今彼氏いる?」

唐突に聞いてきた。

「いないよ。潤はどうなの?」

「いない、俺ゲーム好きなの知ってんじゃん。女の子と遊ぶよりゲームしたいんだよ」

そうだった。

潤は高校2年までほぼ毎日私と一緒にゲームをしたり漫画を読んだりとインドア派だった。

3年になって彼女ができ、距離ができた。

「そうなんだ、ますますカッコよくなっちゃったからイマドキの遊びしてるのかと思った」

「イマドキの遊びってなんだよ」

一瞬、10年前の楽しかった日々が蘇ったように思えた。

「風花は変わらないな」

潤が懐かしそうに言った。

「あの頃とは変わったでしょ、大人の色気出てるでしょ?」

笑いながら言うと、

「うん、今日見た瞬間あせった。めちゃくちゃキレイで」

真面目なトーンで話すから本気に取ってしまいそうになった。

「えっと、そこは色気ナシじゃんって言ってくれないと。真面目に言われたら本気にしちゃう」

「本気だよ。風花は本当にキレイになった。高校の頃から気がついてた。風花がどんどんキレイになっていくの。その隣りでゲームしてるのツラかった」

「どういうこと?」

潤の言っていることが分からず聞いた。

「思春期の男が好きな子と二人きりになったら色々大変だろ、それに風花はキレイになっていくのに俺は変わらない、置いていかれた気持ちだった」

「好きな子?」

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