元サヤあまあまいちゃラブの週末ベッド

・作

学生時代に恋人だった裕太とあかね。突然の別れによって負った傷を癒やせぬまま、彼氏を作らずに過ごしたあかね。ある日突然戻ってきた裕太は成功者になっていた!「結婚を前提に付き合って欲しい」と告白され、あまあまタイム突入。裕太の責めにイキっぱなし状態のあかねは「おかしくなっちゃうくらい気持ちいい!」と叫ぶ…!

(なんで、私たちは別れたんだろう)

あかねは裕太との過去を振り返っていた。

『付き合ってください』

告白してきたのは裕太のほうからだった。

『別れよう』

破局も裕太からだった。

付き合い始めたのは学生の頃だったし、別れたのは就職したすぐあとだった。

あかねにとって初恋の相手が裕太だったし、裕太にとっての初恋の相手があかねだったはずだ。

お互い、初めてのセックスだったとあかねは思う。

裕太はあかねを責めるのが好きで、不器用ながら一時間近く愛撫をしたり、丁寧なキスをしたりした。

あかねはほかの男性との経験はないけれど、アダルト動画などを見ると、乱暴なセックスをしている。

(裕太って優しかったんだなぁ)

つくづく、そう感じた。

(じゃあ、なんで別れたんだろう)

その疑問ばかりが頭をよぎる。

別れたあと、あかねは次の恋愛ができなかった。

モテないことはなかった。

好きだと告白を受けたことは幾度かある。

でも、なぜだか裕太のことが忘れられなかった。

しばらくのあいだは仕事に集中していたから、裕太のことを忘れられた。

女の同僚との仲もよかったし、日常はふつうに楽しかった。

でも、やはりたまには裕太のことを考えた。

(裕太、元気なのかなぁ)

裕太に似た芸能人を見たりすると、思い出していた。

学生時代はお互いに実家だったが、今は、あかねは一人暮らしをしている。

裕太はどうしているのか、共通の友達はいるが、近況を聞くことはしなかった。

裕太に新しい彼女がいるとか、結婚したとか、知ってしまったらさみしくなってしまうからだ。

だから、裕太の現在については何も知らなかった。

そんなある日、自宅アパートの入り口に男の人が立っているのに気づいた。

(え、誰だろ…。怖いなぁ)

あかねは一瞬足を止めた。

会社帰りのあかねはスカートスーツを着ている。

(襲われたりしないよね)

あかねは体に力を入れた。

「あかね!」

聞き覚えのある声がした。

「え? 裕太?」

あかねは訊いた。

「そう!」

裕太はあかねに歩み寄った。

あかねも小走りで裕太に駆け寄った。

「ええっ、なんでここ、わかった?」

あかねの声は弾む。

「ゆっぴに教えてもらった」

〝ゆっぴ〟は学生時代からの共通の友人だ。

「え~! そうなんだ。私はゆっぴに裕太のこと、教えてもらったことなかった」

「そっか。だよね。だよなぁ」

裕太は少しさびしげにつぶやいた。

「だって、裕太のこと聞いたら…悲しくなるもん」

あかねは我慢できず、涙を流した。

裕太は慌てた。

「ごめん、あかね、ごめん。本当にごめんね」

裕太はあかねの涙をぬぐい抱きしめた。

「ごめん、あかね。事情があったんだよ」

裕太はあかねの頭を撫でた。

公開日:

感想・レビュー

1件のレビュー

元サヤあまあまいちゃラブの週末ベッドのレビュー一覧

  • 悪くないけど

    ストーリーとしては「出来過ぎでしょ」ってくらい都合の良い話。
    エロ描写は……。「〜〜た」「〜〜た」という過去形の連続と説明臭い表現で、臨場感に欠けると感じた。なんだろ? 主人公女性の脳内お花畑状態で書いた日記を読まされてる感じ。使われている単語は性的なんだけど、エロくない。
    ちょっと期待外れかな。

    1

    さん 2021年4月10日

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