極上旦那様のセックスはしつこいほどに甘い
在宅勤務の売れっ子イラストレーターである夫の秋と、医師や同僚からも高い評価を得るやり手オペナースの詩織。結婚二年目の二人はまだまだラブラブのアツアツ。比較的時間に融通のきく秋は、常に激務で心身共にストレスの溜まりやすい詩織をあの手この手で癒すのが大好き。美味しい手料理、プロ級のマッサージにヘッドスパ、それから夜のご奉仕も。極上旦那様は、大好きな奥さんを心も体もトロトロに癒します。
「お帰り、詩織」
「しゅうっ!ただいまぁっ」
陽だまりみたいな優しい笑顔を浮かべる秋に、夜勤明けで帰宅した詩織は勢いよく飛びついた。
詩織の苗字が「岸田」に変わってもうすぐで二年が経つ。付き合っている頃から詩織に優しかった秋は、結婚するとさらに優しく甘くなった。
「今日もお昼過ぎちゃったよ」
現役オペナースの詩織は激務で、丸一日家に帰らなかったことも一度や二度ではなかった。機転が利いて物事の判断も早く、勤勉で常に知識のアップデートを欠かさない詩織は、院内での評価も高い。
看護大学を卒業して総合病院に就職し、二年目で手術室へ移動。今年でオペナース歴は六年目になる。もうベテランの域へと足を踏み入れた詩織は、手術を担当する医師から名指しで器械出しをお願いされることもあるほどだった。
「お疲れ様。お昼ご飯食べた?」
「食べてなーい」
「用意しようか?」
もう、早めの夕飯と言った方が正しいような時間。詩織は大きな欠伸をしながら、首を横に振った。
「夕飯まで、ちょっと寝てもいい?」
昨日の夜は、予定していたオペに加えて二件の緊急オペが入り、さすがの詩織も疲労困憊。
「ゆっくり寝ておいで。夕飯は詩織の好きなものにするから」
そんな彼女の頭を優しく撫でながら言う秋もまた、依頼の絶えない人気イラストレーター。大きな仕事が入った時には何日も徹夜で作業することもあるけれど、基本的には在宅勤務で仕事量も自分で調節できる。
秋はいつも気を張って仕事を頑張っている詩織が大好きで愛おしかった。結婚して側にいればいるほど、その気持ちは大きくなっていって。
一見気丈で強く見える詩織が自分だけに見せる甘えたな一面が、可愛くて可愛くて仕方なかったのだ。
*****
秋の愛情がたっぷり込もった手料理を食べ、お風呂でヘッドマッサージをしてもらい、ベッドの上では全身マッサージ。体を酷使する詩織のために、秋は何冊も本を購入してマッサージの勉強をした。すべては、大好きな彼女を癒したい一心で。
「ありがとう、秋。気持ちよすぎて私今ならちょっと浮けそうな気がする」
施術を施された詩織は、蕩けた顔で秋を見つめた。普段キリッとしていてキツい印象すらある詩織からは想像もつかないような甘い顔だった。
「フフッ、何それ。詩織は可愛いなぁ」
そんな詩織を見つめる秋もまた、普段の無愛想とも言われる彼とは大違い。スラッと背が高く中性的な美しさを持つ秋には創作者独特の近寄り難さがあるのだが、詩織の前では見る影もなかった。
「しゅう、大好きだよぉ」
ベッドの上に座り甘えながら擦り寄ってくる詩織を、秋はしっかりと受け止めた。
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