いぢわる☆パレード (Page 4)

「でも、まだ我慢してね」

「…うん…」

「聡子、いい子」

人波が緩やかになり、真ちゃんの手が私の手から離れた。少しさみしい、と思った瞬間、真ちゃんの指がカーディガンの隙間から侵入し。パチン。私のブラのフロントホックを外す。

「本当は、全部外しちゃいたいけど…」

ブラウスのボタンは開かれたままなので、真ちゃんの匂いのするカーディガンに私の乳首が擦れる。真正面を向いて歩きながら、真ちゃんが摘む。カーディガンの上から的確に。

「勃ったままだね…歩ける?」

無言で頷き、真ちゃんの腕にしがみつく。火照る顔もカーディガンで隠してしまいたい。誰も見ていないのに…。ううん、見ていないなら、この光注ぐ緑の中で、乱されてしまいたい…。後ろ髪引かれつつ、中庭を後にする。

*****

「すごい…綺麗な建物…」

私たちは、真ちゃんが働くビルの外観を眺めに来ている。副都心のオフィス街だからか、全館休館という土曜日の今日はしん、としている。

「俺たちは駐在するだけだから、ほんの少しの間借りだと思うけどね」

「へー、流石建築関係だね。なんだろう、このオブジェ…」

「裏にも続いてるね、なんだか庭園美術館みたい」

「ああ、付き合う前に一緒に行ったとこ?」

「そう」

「うん、似てるね」

その夜、はじめて真ちゃんと身体を重ねたのだった。一夜で終わると思っていた。けれど、真ちゃんは勢いでした訳ではないです、と…。私も、真ちゃんに夢中な自分にあの夜気づいたから、嬉しく受け入れた。激しく、後ろから…。

「何、考えてるの?」

冷たい石のオブジェを抱きしめるように凭れる私を、真ちゃんが見つめている。真ちゃんも、思い出してるかな。

「なんでもない…。ちょっとの間だけど、さみしくなるなぁ、って」

「ん…」

真ちゃんが、背中から私を抱きしめる。羽交締めにされ、彼の熱いモノを臀部で認識しながら、同じ気持ちでいてくれているのかな、と感じる。あの日みたいに、真ちゃんが私の胸を後ろから揉みしだきながら、自分の腰を私に打ち付ける。あの日と異なるのは、空の下だということ。それも、閑静なビルの谷間。

「…外だよ?」

「うん…。ねぇ…聡子の卑猥な姿、撮っておきたいんだけど。ここ…でも…」

真ちゃんは指をさす。

「あそこでも…」

私がもたれている背の高いオブジェの向こうに、横長の石碑のような大きなオブジェが見える。ココやアソコなんて他愛のない言葉なのに、己の身体の落ち着かないココやアソコを意識してしまう。

「誰か来ちゃう…」

「ちゃんと、見張ってるから」

「見張る?」

「俺の背中で」

「もうっ…」

首だけ振り向いたところで、真ちゃんの唇が私の唇に押し当てられる。私のお尻には、ずっと、熱い真ちゃんの…。

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感想・レビュー

4件のレビュー

いぢわる☆パレードのレビュー一覧

  • ちょっとダラダラ

    ちょっとダラダラした話でした。
    単に長いからでなく、なんとなく歯切れが悪く情景がわかりづらいイメージです

    5

    さわら さん 2021年1月5日

  • 白昼夢の様な甘い妄想に浸れました

    主人公の期待や想像する様に自分も重なり、甘い妄想に入り込んでしまいます。
    声音の描写に、好きな声を思い浮かべて…。

    丁寧な描写がそのまま焦らしの様な、最初から最後まで、強弱愛撫された様な気分です。

    実際には出来そうもないシチュエーションだからこそ、読んで想像して、されたくない、されたい…という絶妙ないぢわるさを味わえました。

    2

    ひつじ さん 2021年1月13日

  • 星をつけ忘れたました

    非常に好みなので、繰り返し読んでおります!

    2

    ひつじ さん 2021年1月13日

  • 真ちゃんのたまに出る敬語が好きでした。

    3

    コユビ さん 2021年1月23日

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