いぢわる☆パレード (Page 2)
「…濡れてた?」
ビクッ。好きな人の甘い声に膝が反応してしまう。
「…後で確認するよ?」
「…ん…」
私の反応を目で楽しむ真ちゃん。口は、美味しそうに赤い酒を啜る。私の赤い花弁に口を付ける真ちゃんを思い出してしまう。食事中なのに…。私はなんとか食事に集中して完食した。会計に立つ真ちゃんが、何か言った。え?と耳を近付けると…。
「ぐしょぐしょだったら、脱いできたら?」
どうしたんだろう、真ちゃん…。少し強引なときはあるけど、こんなの初めて…。
「大丈夫」
嘘をつく私の肩に手を置いて、そっか、と見透かした声を甘く反芻する。
「次は、聡子が行きたがってるとこ」
「え?水族館は明日じゃないの?」
「んー…今日だと時間短い?」
「ううん。嬉しい。早く行きたいから」
「早くイキたい?」
発音で何かを匂わせてくる真ちゃん。
「もー、どうしたの?今日は」
「なんで?行きたいでしょ」
「…うん」
どちらの意味も込めて答える私は、彼に掌握されている。それが、心地いい。
*****
「…嘘みたい。こんなに濡れるちゃうの…」
「イルカショー最前列で見たい、ってゴリ押ししたの聡子でしょう」
「あんなにおっきいと思わなかったんだもん」
「おっきい…ふーん」
「本当、真ちゃん、今日中学生みたい」
「そ?楽しいからさ。聡子、ビニールシート借りた意味全くないね…」
「すぐ乾くもん」
「でも、オレンジが透けてるよ」
「えっ…やっ…」
白いブラウスが濡れて確かにオレンジの下着が透けてしまっている。
「誘ってるなー」
「誘ってはいない、けど…」
「なんだ、誘ってないのか」
口籠る私に、真ちゃんは背負っていたボディバッグから、ベージュの柔らかなカーディガンを取り出し、私に羽織らせてくれる。優しさに甘えて私はボタンを閉じる。
「ありがと…」
ちょっとダラダラ
ちょっとダラダラした話でした。
単に長いからでなく、なんとなく歯切れが悪く情景がわかりづらいイメージです
さわら さん 2021年1月5日