シェア彼氏 (Page 2)
健人の部屋へ入ると、美花…いや、美雨は健人を誘うように、首に腕を回し、舌を絡めた。
そのままなし崩しにベッドへと倒れた2人は、唇を重ねたまま、あれよあれよと生まれたままの姿に…。それでも健人は欲望に任せた乱暴な仕草はなく、優しく、丁寧に服を脱がせていくのだ。
抱き合い、息を荒らげながら、絡み合う舌と舌。肌を重ねているうちに、美雨の膝に硬いものが当たり、健人が興奮していることに気が付いた。
「ねぇ健人、舐めてもいい?だから、私のも…」
美雨はそう言って、健人とは逆向きに横になって、いきり立った熱い棒を手のひらで優しく包み込み、唾液を含んだ口内へとゆっくりと沈めていった。
ちゅぱっ。
「んんっ…!」
健人が低くも甘い声を出した。どんどん硬度を増していくソレを、優しく、愛おしそうにちゅぱちゅぱ、じゅるじゅると愛撫する美雨。
すると健人は美雨の腰を掴み、うつ伏せのまま覆い被さるように身を乗り上げさせた。美雨の恥部は健人の目の前に広がっている、はず。
美花の言う通りなら、今から甘くとろけるクンニが待っているはず…美雨はそれを想像しただけで、蜜壷からは愛液がだらしなく垂れていった。
しかし、口づけどころか、一向に触れる気配すらない。美雨はこんなにしゃぶってるのに…?
美雨は我慢できず、
「健人ぉ、お願い。早く舐めて…」
お預け状態の美雨の秘部は、ヒクヒクと口を開け、タラタラと汁を垂らして甘い刺激を求めていた。
しかし返ってきたのは…。
「おい、お前誰だよ。さっさと降りろ」
いつも優しい健人からは想像もできない、冷たく、低い声…。美雨はサーッと血の気が引いていくのを感じていた。固まって動けずにいる美雨を突き飛ばし、健人は服を着始めた。
「お前、誰?美花はどこ?」
「えっ…あの、その…」
美雨は自分から言っていいものなのかわからなかった。なぜなら健人は美花の彼氏で、入れ替わることを提案したのも美花からだったから。彼氏のいなかった美雨はおもしろがってノッただけ。…今となってはただの言い訳に過ぎないが。
「いい、美花に聞く」
「ダ、ダメッ!ごめんなさい、私は美花の双子の妹の美雨です。健人…さんと付き合う美花がうらやましくて、その…入れ替わらせてって、頼んだんです…」
「…は?」
健人の声色は一層低く、冷たくなった。
これで美花に迷惑はかからないだろう、美雨だけが嫌われればそれで済む…美雨は本当ににそう信じていた。
「それならなおさら、美花もどうかしてるだろ。今呼ぶから」
「やめてっ…!!」
*****
自宅にいる美花のスマホが鳴った。画面には『健人』と表示されている。
これだけで、とんでもないことが起きたことは十分にわかる。
美花は恐る恐る電話に出ると…。
「美花、今すぐ俺の部屋に来い。妹と待ってるから」
用件だけ告げてすぐに切られる通話。
聞いたことのない低く、怒りを露にした健人の声に、美花もまた、自分たちの悪ふざけへの代償がいかに大きいものなのかを思い知らされ、震え上がっていた。
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