優しいオネェは甘くてエッチで絶倫 (Page 3)

「ごめんね、明日花。アイツいつもあぁで…」

そこで言葉を切ったナツさんは、驚いた様子で私の肩を掴む。

「ちょっとアンタどうしたの!?」

「え…?」

「え?じゃないわよ、アンタ泣いてるじゃない!」

言われて初めて自分が泣いてることに気が付いた。

「ナ、ナツさ、ん……」

「どうしたの!?どっか痛い?あ、それともアイツ!?いやらしいことでもされたの!?」

「ち、違います」

普段余裕たっぷりのナツさんの慌てぶりが内心嬉しかったり、なんて。

「じゃあ何?初めて会って話を聞いた時だって泣いてなかったアンタが泣くなんて、よっぽどでしょ!」

「わ、私…嫌だったんです」

「やっぱりアイツに何かされたの!?」

「違います。私じゃなくて、ナツさんに…」

「私?」

「ナツさんの頬っぺたに、キスしてたから…」

泣きながならしどろもどろにそう言うと、ナツさんが驚いた顔で私を見た。

「明日花、アンタ…」

「わかってたつもりだったんです、私じゃナツさんの相手にはなれないって。でも目の前で見ちゃうとどうしても辛くて…」

俯いた私の頭上に降ってきたのは、優しい声色。

「バカね、明日花。アンタが私の相手になれないなんてそんなことあるわけないじゃない」

「え、でもナツさんは男の人が好きなんじゃ…」

「気持ち悪いこと言わないでよ!こんな格好してるのはメイクや綺麗なものが好きなだけだし、口調だってこんな見た目で乱暴だったら変でしょう?ただそれだけよ。アイツだってそれをわかっててからかってるだけ」

冗談じゃない、とでも言いたげな顔でナツさんが顔をしかめた。

「そ、そうなんですね」

でもだからって私のことが好きなわけじゃ…。

「アンタが今考えてること、大体わかるわよ」

ナツさんは素敵な笑みを浮かべて、唇にチュッと軽くキスをした。

「アンタのこと、大好きよ。明日花」

「…ナツさぁん!私もナツさんのこと大好きですぅ!」

「あーもうまた泣いちゃって。ホラこっちきなさい」

ナツさんは嬉しそうに笑いながら、私を優しく抱き締めた。

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