お礼はホテルで (Page 4)

前のセックスって、いつしたっけ。

その時はどうしていたっけ。

こんなただただ抱かれて、翻弄されている状態だったかな。

何もわからないけど、篠田さんに奥を突かれる度に気持ちいいというのはわかる。

「ひんっ!あ、あうっ……ん、あっ……あ、あっ……ひっ、あっ!」

「そうそう、その方が俺も興奮できるからさ」

言葉だけ聞けばだいぶ最低なのに、それでも私はどうしてかお腹の奥がゾクゾクして、キュンキュンして、篠田さんの身体を求めてしまう。

もっと、もっとしてほしい。

「ほら、神崎さん。奥好きでしょ?ここ、もっと突いてあげるから声出しなよ」

「あっ!いやっ、あっ!は……あっ、あっあっ、んああっ!」

ズンズンと奥まで入ってきて、左右にぐりぐりと回される。

声が抑えられなくて、それに身体が勝手に動いてもっと気持ちがいいところに当てようとしてしまう。

篠田さんのピストンもだいぶ早くなり、頭の中がぼーっとしてきた。

「あっ、あっ……イ、く……イクっ、イくぅっ……」

「どうせなら一緒に行こうよ。俺ももうちょっとでイキそ……」

ずっと私の腰を持っていた篠田さんは上半身をかがめてきて、私の身体を抱きすくめた。

キスをされるかとドキドキしたけど、篠田さんはそういうことはしない人のようだ。

代わりに、首筋にキスを落とされ、一瞬チクっとした痛みが走った。

それすら気持ちよくて、身体が跳ねてしまう。

「も、もう無理っ……篠田さんっ、イクっ、イッちゃいますううっ!」

「うん、いいよ。イキな、俺もそろそろ……出すよっ……!」

ピストンの間隔がさらに短くなってきた。

脚がガクンガクンと揺れているのがわかる。

激しい腰遣いに、私はもう意識が飛びそうだった。

「篠田っ、さ……あっ……!」

「あ~出るっ……出るよ、神崎さんっ、出るっ……!」

篠田さんの動きが止まったかと思うと、私の中で熱いものが弾けている感覚が伝わってきた。

スキンが膨らんでいく。

引き抜かれる前に数度腰をさらに押し付けられて、また軽くイッてしまった。

篠田さんと身体の相性はどうやら抜群のようで、私の身体の疼きはまだ止まらない。

ささっとスキンを取って片付けると、ぐぐっと背中を伸ばして篠田さんは言う。

「あ~、気持ちよかった。それじゃあ週明けにまた会社でね、神崎さん」

いつもオフィスで見る爽やかな笑顔の篠田さん。

もうこれで終わりとばかりな言葉ではあるけれど、ベッドの上から立ち去る気配はない。

ニコニコと私を見て、その先を待っているかのよう。

「……しの、ださん」

そうだ、お礼はこれで終わりでいいのだろうか。

課長のセクハラから助けてもらったお礼が、ホテルで一緒に過ごすことだった。

それはこれで、終わりでいいのだろうか。

篠田さんのあそこは、まだ物足りないとでもいうかのように、ピクピクと動いている。

「……まだ、お礼し足りないなと、思ってるんですけど、どうですか?」

篠田さんの目が、にんまりと細くなった。

私の下腹部の奥が、またもキュンと疼いた。

「神崎さんがお礼したいなら、まだお世話になっちゃおうかな?」

両手を広げて迎え入れる私に、彼は遠慮なく覆い被さってきた。

 

私たちの淫猥な夜は、まだ続いていく。

Fin.

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