お狐様は身体が目当て (Page 3)
「夏目、おれの名はわかるだろう?」
「……え?名前…?」
ずっと、ふにふにと胸を揉まれ、ぬるま湯に浸かっているかのように身体が火照ってくる。
わたしが聞き返すと、お狐様はムッと眉間に皺を寄せた。
「玉藻、たまもだ。おれの名を呼べ」
「……いやだよ。それがもし身体献上とかの儀式だったら、わたし終わりじゃん」
お狐様はまたムッと眉間に皺を寄せ、あからさまに不機嫌な顔をした。
「そんな顔してもだめだからね」
お狐様はフンと鼻を鳴らし、わたしの向きをくるりと変えた。お狐様はわたしを後ろから抱き抱えるようにして、服の下に手を突っ込んだ。
お狐様はむっつりと黙り込んだまま、また胸を揉み始めた。
お狐様の息が首にかかる。少しくすぐったかった。
……。
「あ……っんぅ…」
わざと、いいところを外されているような気がする。
前戯も進んで、ほぐすために秘部に指を入れるところまではいい。
やっと絶頂に達せそうだ……と思っても、イク直前でお狐様は指を動かすのをピタリと止めてしまう。
「ぇ……なんで…ぇ?」
そう聞いても、お狐様は、ん?と片眉を上げるだけで、取り合ってくれない。
ああ。ほら、まただ。
「なん、でっ、イかせてくれないの…ぉッ」
「なんのことだ?余計なことを考えている暇があったら、ほれ、集中せんか」
とぼけた面をして、手のひらに唾液を溜めている。
わざと溢れた唾液が乳房の上に垂れた。お狐様が仰々しくそれを舐めとる。舐めとるついでに乳首を食んだ。
「ん……ぁんっ…ゃだあ…ぁ」
舐められたところが次第にじんじんと熱くなってくる。
「あ…ぁッん…ゃだそれ、なんか…おかしいよ…」
「これか?」
お狐様がべろりと舌を覗かせる。
「そうかもしれぬな。おれの唾液には微量ながら催淫作用がある」
「えっ……?!」
「別段、人体に影響はない。いつもよりちょっと興奮するだけだ」
そう言うお狐様の目が怪しく光る。
それから、大きく口を開けて、わたしの肌に歯形を付けた。
限界が近づいていた。
「おねがいッ……!イかせてぇ…」
あれからずっと、焦らされるような愛撫が続いていた。全身をくまなく愛される。低温やけどでもしてしまいそうなくらいの熱で。
くふ、っと笑い声を漏らしながら、お狐様がまた無慈悲にも1本だけ指を入れる。
身をよじって逃げようとしても、指が追いかけて入ってくる。
十分に敏感になった秘部をくにくにと指で弄られても、1本じゃあもう全然足りないのだ。
それでも、お狐様の指がイイところに当たると、一気に熱が高まって、イキそうになる。
するとお狐様は敏感にそれを察して、素知らぬ振りをして指を止めてしまう。
わたしは絶頂に達することができず、ひきつけのような痙攣を起こして、喘ぐ声を抑えることもできない。
放出されない熱が体に蓄積されて、このままじゃおかしくなってしまいそうだ。
お狐様も暑いのか、バサッと衣服を脱ぎ捨てた。
よく締まった胸筋が剥き出しになる。熱を帯びた視線も相まって、殊更、焦がれる気持ちが募ってくる。
熟れた蜜部にお狐様が陰茎を擦り付けた。
「……ァァ…ッ」
わたしの身体は正直に興奮した。
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