私を大人にしてください (Page 3)

「何もされてないの、される前に逃げてきたから」

「そいつの家教えろ。ぶん殴ってくる」

「そんなことしなくていい」

「泣いてんじゃねぇか」

「違う」

「何が」

「怖くて泣いてるんじゃないよ」

「んなわけ」

「相手にされるはずないって」

ポロポロ泣きながら、私の側でしゃがんでる島さんの腕を掴んだ。

「お前みたいな子供っぽいやつに、俺以外誰も欲情しないって」

「…」

「ここで処女捨てとかないなんて、バカなやつだって」

「…」

「自分が子供っぽいことなんてわかってる。女の子っぽくないことも。これが私だからいいやって思ってた。でも、急に悲しくなったの。私の好きな人も、私のことそう思ってるのかなって。ガキっぽくて魅力ないって」

「…お前」

「だから島さん、私のこと抱いて?」

「…文章繋がってねぇよ。何がだからなんだよ」

「島さんが私のことなんか好きじゃないって、わかってる。思い出だけでいい、一回だけでいいから島さんに女として見てほしいの」

「…」

「ここに来るの今日で最後にするから…お願い、今日だけ私のこと」

言い終わる前に、島さんが強引に私の腕を引いた。彼の硬い胸板と力強い腕にすっぽりと包まれる。

「アホかお前」

「…ごめんなさい」

「やべぇこと教えてやろうか」

「え?」

「俺お前のこと、女としてしか見たことねぇよ」

「…」

また、涙が溢れる。

「好きでもねぇヤツの相手してるほど、俺優しくねんだよ」

「…島さぁんっ」

「お前のガキくせぇとこも可愛いって思ってっから、心配すんな」

子供みたいに、彼にギュッとしがみつく。島さんの低くて優しい声色が、耳元で心地よく響いた。

「ん…っ」

シンプルな黒のベッドは、ほんのり煙草の香り。島さんが私に覆い被さって、優しくキスをくれる。

「いいのか?」

何度もそう聞く島さんの首に手を回し、ギュッと抱き締める。

「今、島さんとこうしたい」

「…知らねぇぞ、アホ」

島さんは小さくそう言って、また私にキスをする。さっきよりも長いキスが苦しくて思わず口を開くと、すぐさま島さんの熱い舌が差し込まれた。

「ふっ…んん…っ」

「…は、っ」

「島…さん…っ」

「…やべぇな、お前」

島さんは唇を離すと、余裕なさげに眉根を寄せる。その表情が色っぽくて、心臓がますます早鐘を打つ。

それから島さんは、ゆっくり私のTシャツを捲る。シンプルな白の下着。一旦家に帰ってもっと可愛いのに付け替えてくればよかったって後悔した。

「すげぇ可愛いから心配すんな」

島さんは小さく笑って、私の背中に手を回してパチンとホックを外す。

「…なんか慣れてる」

プクッと頬を膨らます私の手を掴んで、島さんは自分の胸を触らせた。引き締まってゴツゴツしてるけど、すごく熱い。それから、この胸板の向こうで、彼の心臓がドクドクと強く脈打ってるのを感じた。

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