妹の婚約者は私の元彼 (Page 2)

冷蔵庫から缶ビールを取り出し、グビグビッと流し込む。
そして、そのまま勢いに任せて彼にメールを送った。

いや、メールを送るための勢いがほしくてビールを飲んだ、が正解だな。

『先日はどうもね』

だからなんだよ!という内容。

宛先は変わってなかったようで、しばらくすると彼から返事が来た。

そこには、私が心の奥底にしまい込んで押し込んで、なかったことにしたかった、でも1番欲しかった言葉が綴られていた。

『夏海には内緒で、春香に会いたい』

つい嬉しくなって、すぐにOKの返事をしてしまった。

それからは何度も連絡を重ねて予定をすり合わせていった。
地元に残っている彼には、私のワンルームのアパートへ来てもらうことになった。

部屋に呼ぶのは緊張したし、やはり少しの期待もあった。

だって、そうじゃない?
婚約者の姉の私に、いくら元彼女だからって、普通『内緒で会いたい』とは言わないはず。

期待が膨らむと同時に、少しの罪悪感も芽生えたが、気付かないふりをした。

*****

時は来た。

ピンポーン。

『はーい、出ます』

ガチャッ。

パタン。

カチッ。

「やっほー!久しぶ…んっふぅ…んんっ!!」

案の定、事は起こった。
しかも想像より、はるかに早く。

玄関に立ったまま強く抱きしめられ、扉に背中を押し付けられて唇を塞がれた。
腰周りにモゾモゾと手が入り込み、Tシャツが捲れ上がる。

「早いって…」

なんとか体を引き離し、制止する。
が、「ダメだって!」と言えない自分がいる。

「…ごめん、いきなり」

彼もまた、玄関で事に及んだことを詫びるだけで、行為について謝罪した訳ではなかった。

「まぁ、入りなよ…」

お茶でも出そうとキッチンへ向かうも、腕を引かれてそのままベッドへと押し倒された。
久しぶりに見上げる彼の顔は、あの時と変わらない真剣な眼差しで。

妹はいつもこの顔を見ているのかと思ったら、なぜだか涙が出てきた。

先ほどと同様に、Tシャツを捲り上げられ、下着が露になる。
背中に右手が回されて、プチッという音と共に、独特の解放感。

はだけた胸元に舌が這っていく。

「乳首舐められるの、好きだったよね…」

…それは、初めて男性に胸を見られて、舐められたから。
すっごくドキドキしていたし、特別だったからだよ。

レロッ。チュッ。チュパッ。チロチロチロチロ…。

丁寧に、執拗に、敏感な突起を責められる。
あの頃より格段に気持ちのいい舌使いに、また嫉妬する。

「おっぱい、大きくなったね」

ちゅぱちゅぱと口に含みながら話しかけてくる。
なんていやらしいシチュエーションだろう…。

また彼の右手が動き、今度は下に向かってゆっくり這っていく。
疼いてたまらない下半身に、右手が到達する。

「…エッチな体」

そう言って薄い布1枚に覆われただけの秘部を、ゆっくりと上下に擦りながら行き来する。

私の下着はもう、十分に湿っていた。

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