もっと酷くして…

・作

仕事に追われる亜衣は、恋人のシュウとすれ違ってばかり。ある夜、部屋の前で待ち伏せしていたシュウに亜衣は浮気を疑われる。浮気チェックのため、玄関で激しい愛撫を受ける亜衣。いつになく強引なシュウに、亜衣は無理やり犯されているような感覚に陥る。やがて、亜衣は自分も知らなかった性癖に気づいてしまう…!

マンションのエレベーターを降りると、部屋の前に男が座り込んでいた。

木原亜衣は驚いて身構えたが、すぐにそれが自分の恋人だと気がついた。

「…シュウくん?」

「おかえり、亜衣ちゃん」

シュウがゆっくりと顔を上げる。

赤みの消えた唇は、そこで待っていた時間が数分ではないことを示していた。

「どうしたの?こんな時間に…」

「早く部屋に入れて…。俺、凍えそう」

亜衣は急いで玄関を開けると、シュウを中へ招き入れた。

シュウとはまだ付き合って3ヶ月にも満たない。

互いの部屋で迎えた朝を数えれば、両手で収まるほどだ。

映像制作会社に勤務する亜衣と、大学院生のシュウではあまりに生活スタイルが違う。

年齢は同じなのに、亜衣は心のどこかでシュウを幼く感じていた。

甘え上手なシュウと、甘え下手な亜衣の性格も影響しているかもしれない。

「すぐにお風呂用意するから、ちょっと待ってて…」

そう言いかけた亜衣を、シュウが後ろから抱きしめた。

コート越しでもシュウの体が冷え切っているのを感じる。

それでも腕は力強く、亜衣は身動きができないほどに体を抱き寄せられていた。

「亜衣ちゃん…いつも帰りこんなに遅いの?」

「え…?」

そういえば残業続きで、帰宅は日付をまたぐことが多かった。

入社時から希望していた企画部への移動が叶い、チームの一員として早く認められたい亜衣は、連日遅くまで会社に残って新しい企画を考えていた。

「俺、心配だよ。明日から会社まで迎えに行くから」

「いいよ、終電には間に合うし。このマンションだって駅からそう遠くないから」

やる気や喜びというものは、時間と疲労の感覚を麻痺させる。

それよりも厄介なのは、恋愛のバランスを一方的に失うことだった。

「俺ってそんなに頼りない?」

耳元で、シュウの弱々しい声がした。

「違うよ、そういうんじゃなくて…」

シュウは腕を離すと、振り向く亜衣に深いキスをした。

「んんっ…っっ」

シュウの舌が唇を割って侵入する。

じゅぷじゅぷ…水音と立てながら亜衣の舌を追い回す。

舌先から根元までシュウの舌に絡め取られると、今度は上顎まで激しく舐め上げられた。

「んは…ぁっっ…んっっ」

息もろくにできない口づけに、亜衣の体から力が抜けていく。

「おっと…大丈夫?」

立っていられなくなった亜衣は、シュウに腰を支えられながら玄関の壁に寄り掛かった。

「そんなにキスよかった?」

長身のシュウが亜衣を見下ろす。

唇は少し血色を取り戻していた。

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感想・レビュー

2件のレビュー

もっと酷くして…のレビュー一覧

  • 糖度高めのヤンデレ

    執着男子系はエグいのが多いですが、彼女がノリノリなので平和なスケベでした。あとずっとエロいです。

    10

    匿名 さん 2020年10月31日

  • 嫉妬

    ごちそうさまでした的な嫉妬モノでした。パンストH。

    5

    善女 さん 2020年11月7日

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