柔らかく、開かれて (Page 2)
「サイフォン、会社のと同じですね、美味い」
絨毯の上。タイシルクのカバーに包まれたクッションを撫でながら、秋河くんは安堵の笑みを溢す。
コーヒーが、彼の唇を濡らす。男性にしては赤みの強い唇。
なぜか直視することができず、背を向けて座り、目を逸らした私の首を。秋河くんの大きな両手が、包む。頭痛が和らぐのを感じる。慢性化していたことに、今気がついた。
「…大葉が置いたの。会社にも、ここにも」
「味覚は確かなんだな、大葉部長」
首に、落ちる。コーヒーに濡れた唇が。
「…待って。何もしないって」
「貴女の凝りをとる、って言いましたよね、俺」
唇から長い舌が。私の首を舐める。静かに。私の息遣いは騒がしくなる。
「身体も、心も、って意味です」
彼は、白いブラウスの左肩に、軽く歯を立てる。私の左の鎖骨を撫でる、その手は優しい。
でも、私の耳朶を噛み、私の唇にたどり着いた彼は、荒々しく。
何もしない。されない、そんなことを期待してはいない。見透かされている。待っていた。切実に。
この強い波に、のまれたい。さらわれてしまいたい。私は、舌を絡めて応える。
「んっ…ぁあん、んん…」
健やかに私を癒し続けてきた彼の手が、ブラウスに侵入してくる。健全さではなく、猛々しさをまとって。
臍を撫で、乳房の下を指の腹で軽く叩く。
「アッ。ん…ッ!」
彼の爪先が、かすかに乳首に触れる。下着越しに。
「マッサージのときは、鈍感な人かな、って思ってましたけど」
下着に、笑う男の左手の親指と人差し指が滑りこみ、私の左乳首をコリコリと遊ばせる。
「あぁーん…んんっ、はぁ…」
「敏感なんですね。開発された?」
「開発?大葉に?冗談。あの人、技巧も何もあったもんじゃないのよ」
強がる私を試すように。乳首は指で摘まれ、男の右手に包まれた顎は甘噛みされる。私の臀部は、男の脚の間に収まり、熱い彼自身を強くあてがわれ。
目の前の全身鏡に、浅ましいほどに物欲しげな女が、逞しい男の身体に収まる姿が映る。男が、器用にブラウスのボタンを外す。乳房に、指が埋まり、私を泣かせる。乳首が、再び摘まれる。
「ぁあ…はぁぁん…舐めて…」
「佐伯さん、脚、辛くないですか?」
優しげな気遣いと見せかけて、正座を崩して座っていた私の両脚を、自分の両脚で割り、開脚させる。
彼の右の踵に、下着越しに熱い私の脚の間があたる。
後ろから私を羽交い締めにしながら。乳房に指を食い込ませる。優しく。
そして片方の手は私の右手を、私の両脚の間、下着の中へ誘う。
ぬちょっ。
私の右手の中指が沼に辿り着き、静かな部屋に音が響く。恥ずかしくて、振り向いて秋河くんの腕に顔を埋める。
「どうなってます?」
「濡れてる…」
すっ、と私の指に、太い右手中指が重なる。そして、芽を揺らすように誘導する。
「濡れてる、なんてもんじゃない。ぐちょぐちょですよ」
「あ、ぁーん…はぁん…ぅう…」
彼は、自分の脚で、さらに私に脚を開くように命じてくる。
「佐伯さんの指、細いから。何本入りますか?」
「えっ、イヤっ…ここ?」
「そうです。俺の指だと二本で痛いかな?」
その二本が、欲しいのに。そしてもっと太い貴方が。
戸惑いに映ったのか、彼は私の指を私の中へと案内してくる。両胸は、彼に弄ばれて。舌を待ち続けている。
「一本…二本…。…三本。ふふっ、入っちゃいましたね」
自分の指が、熱く溶けそうな私に包まれる。欲しいのは、これじゃないのに。
これじゃ、変われないのに。
「ぁぁーん、やッ…恥ずかしい…」
「こんな甘い声、出すんですね」
何も言えなくなる。
私が指を抜かないように、手で制しながら。彼は芽をゆっくりと揺さぶる。左の乳首には唇でついばまれ、ぴん、と伸びる。
「んっ、ぁっ、あぁん、秋河、く…ん」
声が漏れる。指も、栓にはならずに脚の間から、恥ずかしい海が溢れる。
「初めてですか。この鏡に、こんな佐伯さんが映るのは」
「ハイ」
「なんで敬語なんですか」
「ゆとりが…なくて」
「ゆとり、奪っちゃいました?俺」
「…ウン」
「もっと、なくしてもいい?」
頷くかわりに、私は私を貫く指を深める。ここまで、ううん、そのもっと奥まで、来て。秋河くんに来てほしい。
2ページめからいきなりエロなってびっくりした
まさか、彼女が官能小説家とは知らなかった😅
1ページめに友達と飲んでる場面から
お兄さんが迎えに来て、、、
いきなり2ページめからエロになったからびっくりした😅
もちょっと、間に、迎えに来て、一緒にお兄さんの部屋に行ったら、誘惑されて、、、みたいなエピソード挟むと、いきなりエロでびっくりにならないかもよ。
自作も楽しみにしてます。
ローラ さん 2020年9月24日