向かいますんで、お待ちください (Page 2)
「酒豪の友の兄は、輪をかけて酒豪だったわね」
懐かしい出会いの回想を共有しつつも。男は、女の両脚をМの字に開き、たくましい両腕で女の太腿に圧をかける。そして、むき出しの女の果実の汁を舐める。男の長い舌を挿し込まれ、女の豊かな海が、割れ続ける。
「あっ、あぁ…んッ…」
「飲むよ、百合子のことも」
ゆっくりと、「おにい」の舌が、百合子の脚の間の芽を、チロチロと揺らす。
百合子、と呼ばれ、身体が波打つ。出会いの夜の、あの淫らな予感は確かだった。
「翔…」
男の名前を呼び返すと、百合子の芽は、新たな海で、どろりと濡れる。
応えるように、長い腕が伸びる。大きな掌が、女の乳房に優しく埋もれていく。男の小指が頂に。触れるか触れないか、わからぬもどかしさ。
「触って」
「触ってるよ」
「違うの」
「へたくそ、ってか」
わかっているくせに。ずるい。
「して、ほしいの」
「何を?どうしてほしい?」
もう。
「翔が好きなように」
「うん、してるよ」
「もっと。めちゃくちゃにしてほしいの」
乳房に翔の舌が届き、翔の長い人指し指はするりと海へ潜りこむ。
ずぶ、ずぶ。
翔の唇が、私の乳首に吸い付く。可愛い。愛おしくてたまらない。私が好きな強さで、舌で転がして楽しみながら、私の乳房に赤い跡を残していく。
「おいしい。…百合子。どうして?」
「んッ?」
「どうして、こんなに可愛いの」
少しだけ、翔が乳首に歯をたてる。
「あぁあん…あーん、私が言いたいのに。可愛い、って」
私のゆとりのなさを、からかうように翔が笑う。
「言ってよ」
「あっ!」
翔の中指も、静かに押し広げるように沈みこんでくる。もう片方の手は、私の左手の指の間に割りこんでくる。
優しい檻に、甘く捕らえられ。
喘ぎ声を上げる幸せなけだものでいたい。
「はぁ、ぁあん…可愛い、く、ない!」
「いいですよ、どうせ」
余裕たっぷりに翔は笑う。
でも、今、私のお腹のあたりにいる、余裕のない可愛い彼自身を。私の海は求めている。突き刺して。深く。深くたどり着いて。
―向かいますんで、お待ちください―
Fin.
舌舐めずりしてしまった。
「女の両脚をМの字に開き、たくましい両腕で女の太腿に圧をかける。」を何度も読み返した。
導入から核心への展開が早くて滑らかで、まるでビロードのような肌触り、を感じる官能小説。
J さん 2020年9月17日