みて、みないで (Page 3)
ピリリリリリリ。ピリリリリリリ。
電話が鳴った。
ビクッと肩がすくむ。音のほうを探すと、音源はわたしのスマホだった。カバンの中で振動を続けている。
思わず固まって震えるスマホを眺めていると、スマホはピタッと鳴き止んだ。
なんとなく冷静になってしまう。あぁ、びっくりした。…もう1回下着の上から興奮を高めようかな。
と思ったのも束の間。電話は再び鳴り始めた。
ピリリリリリリ。ピリリリリリリ。
ピリリリリリリ。ピリリリリリリ。
しかも鳴り止まない。
ピリリリリリリ。ピリリリリリリ。
ピリリリリリリ。ピリリリリリリ。
秘部はズクズクと熱を訴えるが、こんなにやかましくては集中できない。
わたしは仕方なく、電話に出ることにした。
スマホの画面には、電話のマークとともに裕翔の名前が表示されている。
「っえ?裕翔?………もしもし?」
『亜里沙!よかった出てくれて……。今日は本当にごめんな……怒ってない?』
なんだっけ。
「…あっ、花火大会か……。ううん。行けなかったのは裕翔のせいじゃないじゃん」
『でも、すごい楽しみにしてたじゃん。オレもすごい楽しみだったのに。全然間に合わなかったしさあ……』
早く電話を切って続きがしたいわたしは、適当にいい返事をする。
「しょうがないよ。また次、一緒におでかけしよう?」
『うぅーー、でもさあでもさあ、亜里沙と一緒にいれる時間はあんまりないのにさあ、部長がぁ』
…正直、裕翔の残り香ベッドと電話の声でわたしの我慢は限界だった。話があまりにも頭に入ってこない。
積もる話が山ほどあるのはわかる。しかし、どうもありすぎるようで、裕翔に電話を切る気配がない。
「仕事は終わったの?電話してて大丈夫?」
遠回しに電話を置けと圧をかけるも、電話越しからは、うーん?と間延びした返事が聞こえる。
…何その声かわいい……。身悶えるように脚を擦り合わせると、身体が誤作動を起こし、たらぁと、蜜が漏れてくる。これは、よろしくない。
『まあ?ってゆーか、電話も久々だよね。お互い忙しかったしね。もうちょっと話したいな。ねえ、今何してんの?オレの部屋にいるんでしょ?』
突然の質問に戸惑う。上手く答えられない。
『あ!まって、まって。当てる。うーん……そうだな………。寝てた?電話出たとき、ちょっと声慌ててたよね』
ドキッと鼓動が速くなる。
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