風俗セラピストに疲れを癒してもらう夜
ブラック企業勤めで疲れきった私は、うとうとしながら女性用風俗店のセラピストを呼んでしまう。やってきた青年の巧みな舌技で、経験のないうぶな身体がとろとろに濡らされて……。セラピスト×社畜OL、甘やかされエッチ。
残業、残業、残業。
ブラック企業にまんまと騙されて入社して二年、私は生きる屍と化していた。
終電で帰るのなんて当たり前。へとへとで買ったコンビニ弁当を冷たいまま食べてお風呂に入り、ベッドに倒れこんで気絶するように眠る毎日。
(ああ、癒されたい……)
実家にいる白うさぎのユキの、もふもふした毛とぬくもりをふと恋しく思ってしまった……それがあやまちだった。
「――このたびはご指名ありがとうございます。メルティーラビット、セラピストの雪夜です」
「え?」
二週間ぶりの休日。
一日中眠って、そろそろ夕飯にしようと重い身体を起こした二十時頃のこと。
インターフォンに呼ばれて応答ボタンを押した私は、間抜けな声をあげた。カメラ越しに現れた、銀髪の青年に心当たりがなかったからだ。
「あの、人違いかと……」
「まさか。ご登録いただいた住所をきちんと確認して来ています。……ふふ、照れているのかな」
困惑する私に、雪夜と名乗った青年が笑う。
「心配しなくて大丈夫。当店は安心して、女の子に気持ちよくなってもらうことを大切にしてるんです。初回はトライアルで、お気に召さなければ代金はもらわないという方針だから」
(トライアル? 気持ちよく?)
なんだかいかがわしい空気が……。
そのとき、カメラ外から足音が近づいてきた。
同じマンションの住人が帰宅したのだろう。
「とりあえず入ってください!」
変な噂が立っては困ると、焦った私は彼を玄関に引っ張りこんだ。
「あらためて、このたびは当店をご利用いただきありがとうございます。早速はじめましょうか」
にっこりほほえむ彼の顔を見つめるうちに、ある記憶がよみがえる。
仕事の疲れが取れなくて限界になった日。
夕飯も食べずにベッドへと倒れた私は、もふもふ恋しさにうさぎの里親募集サイトを閲覧した。
すぐ睡魔に襲われて、寝落ちしたけれど……。
(そうだ。あのとき)
たしか、指がすべって、大人のサイトにアクセスしてしまったのではなかったか。
メルティーラビットという――女性用風俗店に。
うとうとしながらも、つい、日頃のストレスから解放されたくなって……。
「ひゃっ!?」
するりと抱きしめられた。
急に胸の締めつけがなくなって、部屋着の上からブラのホックを外されたと気付く。
「ま、待って! 私、初めてなんですっ」
抵抗しても雪夜さんはお構いなし。
あざやかな手際で彼の指が服の中に入ってきた。
乳首を摘まれて、私の腰が跳ねる。
「きゃぅっ!」
「感度いいね。本当に初めてなんだ」
「大学出てからブラック企業勤めで、恋愛してる暇なんかなくて……っ」
「大学で彼氏できなかったの? そいつら見る目ないね。こんなに可愛いのに」
耳に吹きこまれる声すらも快感になる。気付けば私は、胸を差し出すように突き出していた。
(男の人の硬い指で乳首くりくりしてもらうの、気持ちいいっ……)
正常な判断力がなくなっていたのかもしれない。
寝不足続きで隈が刻まれた私の目に、雪夜さんが優しく口づけた。
「ゆだねて。嫌なこと全部、忘れさせてあげる」
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