交錯する想いの館
就職難の中、ようやく見つけた仕事が、坊ちゃまのお世話係。坊ちゃまは今はこの広い屋敷の主人として暮らしており、お付きの執事の方は、眉目秀麗な方なのですが、結構厳しい方で新人の私にも容赦なく毒をはくことがありますし、厳しい指導もします。
「坊ちゃま、待って下さい」
「お前はうるさいな」
「坊ちゃま、そろそろお仕事に」」
「離せ、執事」
私はこの屋敷で、メイドとして働き始めてまだ10日。
就職難の中、ようやく見つけた仕事です。
ですが、与えられた仕事は坊ちゃまのお世話係。
新人の私がいきなりお世話というのが変ですが、お付きの執事の方がいますので大分助かってはいますが…
「全く、働き始めて10日もたつというのに満足に坊ちゃまの相手もできないのですか」
「申し訳ありません」
眉目秀麗な方なのですが、結構厳しい方で新人の私にも容赦なく毒をはくことがあり、厳しい指導もします。
これも坊ちゃまのお世話係だからでしょうか。
他のメイドさんからは、とても信頼があり、お話をされると頬を赤く染めたりする方もいらっしゃいます。
「執事、いい加減離せ」
「いけません。この後は会食がありますから逃がしませんよ」
坊ちゃまは今、この広い屋敷の主人として暮らしております。
お父様は、お仕事がお忙しく、なかなかこのお屋敷にはお帰りにはなりませんし、お母様は坊ちゃまが生まれてすぐに亡くなれたそうです。そのため、お父様の代わりに主人としての仕事や会食に参加されています。
「坊ちゃま、仕事終わりには、坊ちゃまの好きなチョコレートクッキーをご用意しますから、がんばって下さい」
「約束だからな、覚えていろ」
「はい」
坊ちゃまは走って仕事に行かれましたが、
「あなたは甘すぎますね」
坊ちゃまの後を着いていく執事に嫌みを言われました。
私は甘過ぎなのでしょうか。
ですが、執事の方が厳しすぎところがあるので案外丁度いいのではないかと思っております。
でも、執事の言うとおり私は甘過ぎたのかもしれません。
*****
坊ちゃまの寝支度をしている時に、
「メイド、お前も今日はここで休め」
「えっ」
「だから、パジャマに着替えて一緒に寝るんだ」
「それは」
「メイド、これは命令だ」
「承知しました」
私は成人している坊ちゃまとの添い寝命令にドギマギすることになりました。
パジャマに着替え、坊ちゃまのベッドに入ると、坊ちゃまは大層嬉しそうでした。
「誰かと寝るのは久しぶりだな」
もしかしたら、坊ちゃまは寂しかったのかもしれません。
このお屋敷には、坊ちゃま以外家族はいません。
坊ちゃまは私の方に寄ってきて、頭を撫でるように言いました。
言いつけ通りすると、坊ちゃまはすぅすぅと寝息をたて眠り始めました。
私もだんだんと眠気に襲われ、眠りにつきました。
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