今宵だけ…恋に溺れて犯す罪 (Page 4)
腰をゆっくりと押し進めて入ってくる。
私の最奥を目指して熱の塊を沈めていく。
すべてが収まると、ゆっくりと腰を揺らし始めた。
『ぁあああっ、律樹っ…』
「ッ、杏奈のナカ、いつもより濡れてて、締まってて、気持ちいい」
『あッ、ぁああ、やぁ…』
待ち侘びていた愛おしい快楽に、甘い声が漏れた。
律樹くんと、一つになれた…今夜限りのひとときの幸せ…。
腰を揺らしながら、私の首筋、鎖骨、胸、身体中にキスの雨を降らせてくれる。
いつまでもこうして繋がっていたい…。
『ああんっ…やぁ…ああぁ…っ』
「綺麗だ、杏奈…凄く、可愛い…杏奈、杏奈…」
耳元で何度も呼ばれる姉の名前に、喉の奥がきゅーっと締め付けられる…。
その声を掻き消すように、両腕を律樹くんの首に回して、ぎゅっとしがみつきながら夢中で甘い声を上げた。
『あああ、もう、だめ…ぁああん…イきたいッ…イきたいのッ…』
「いいよ、一緒にイこう」
『ぁあああっ…好き…ぁぁあっ』
「ッ…イくッ…」
最後まで、私を杏奈だと信じて疑わなかった律樹くんは、私の最奥で弾け、白い欲を子宮にたっぷりと打ちつけて私のナカを白く染め上げた。
そのすべてを受け止めようと、両脚を律樹くんの腰に絡めて離さなかった。
まさか、酔った勢いで婚約者とその妹を間違えて抱いて、しかも中出しまでしたなんて知ったら、酔いも醒めるだろうか。
杏奈がこのことを知ったら、百年の恋も冷めて婚約破棄になるだろうか。
私さえ黙っていれば…。
私だけの思い出にすれば、すべてなかったことになる。
すべて元通り。
それでいいんだ、それで…。
『愛してる…律樹…くん…』
涙と共に、届かない愛を囁いた。
Fin.
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