今宵だけ…恋に溺れて犯す罪 (Page 2)
「杏奈はいつも可愛いすぎる」
甘く囁きながら、髪を撫でていた手は頬へと移った。
『ありがとう律樹』
律樹くんって呼べば、私が環奈だと気付かれてしまうかもしれない。
私は必死に杏奈のフリを続けた。
大丈夫。
顔も声も、杏奈と私は瓜二つなんだから。
上手く演じていればきっとバレない、大丈夫。
自分にそう言い聞かせた。
「この髪も、身体も、全部僕のモノ。愛してるよ」
この愛の言葉は私に向けられたものではない。
切ないけれど、悲しいけれど、なんて幸せなんだろう。
複雑な相反する感情が入り乱れながら、律樹くんとのキスを交わし続けた。
「杏奈の身体、火照ってきた」
『だって、律樹とのチュウが気持ちいいから』
「チュウって。今日の杏奈はなんか、子供っぽくて、素直で可愛いね」
ルームウェアのジッパーをゆっくりとおろして、下着のホックを外されると締め付けから解放された胸が零れ落ちた。
『恥ずかしい…』
「今更恥ずかしがらなくても」
律樹くんは赤らんだ頬で柔らかく笑いながら胸元に手を伸ばした。
私の2つの膨らみを優しく持ち上げると、先端の果実を唇に含んだ。
左右交互に口に含まれては舌で転がされ、堪えきれずに口から甘い嬌声が上がった。
『ぁああ、あ…んッ、んんッ…』
慌てて自分の手の甲で口を押さえた。
「なんで声我慢するの?もっと聞かせてよ、杏奈の声」
私を鳴かせようと、もっと重点的に舐めて、吸い上げて愛撫する律樹くん。
『あぁぁん…やぁ…だめ…っ』
痺れるような快感が襲ってくる。
「なんでダメなの?」
『今日は、環奈が来てるから…起こしちゃうよ』
「環奈ちゃんならもう寝てるでしょ、大丈夫。だから声我慢しないで」
飲みすぎて私が杏奈のルームウェアを借りて杏奈のベッドで寝てたことなんてすっかり忘れているのかな。
すでにピンと尖り始めたそこを容赦なく舐めては、吸い上げる。
『ぁあああ…も、だめ…っ』
「声まで可愛い」
律樹くんからの甘美な愛撫に応えて、身体がピクピクと小刻みに跳ねた。
まだ胸だけにしか触れられていないというのに、こんなにも気持ちいいなんて。
『あ…ぁあ…ん…っ』
「いつもより敏感じゃない?お酒のせい?」
『…そう、かも…ッ』
「可愛い」
『律樹…好き…』
「うん、僕も好き」
息ができない程に苦しいけど、幸せだ。
好きな人に、好きって言ってもらえるって、こんなにも幸せなんだ。
いいな、杏奈。
ズルいよ、杏奈。
これから律樹くんは杏奈が独り占めするんだから、今日くらい良いよね?
許してくれるよね?
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