積もり積もった愛は、もう少しなんかで止まらない

・作

彼女の部屋で試験勉強をしていたら、あっという間に時間が過ぎて…。帰ろうとしていた俺を、「あと少しだけ…」と引き留め甘えてくる彼女。あと少しで収まるわけもなくて…。可愛い彼女を焦らしていじめながら1ヶ月ぶりのエッチに求め合いながら甘く燃え上がる。

「そろそろ帰ろうかな」

『えっ…?もう帰っちゃうの…?』

俺の言葉に驚いて顔を上げる彩葉。

帰り支度をして立ち上がると、彼女の瞳には寂しさが浮かんでいた。

明日から試験期間に入る俺たちは、試験対策で真面目に勉強をしていた。

彩葉の苦手教科を教えるために彼女の部屋を訪れていたけれど、気がつけばもうすぐ日付が変わるような時間。

本音を言うなら、まだ一緒にいたい。

朝まで彩葉とイチャつきたい。

でも明日から試験だし…これ以上遅くなるのは申し訳ないと俺なりに配慮したつもりだ。

「赤点とったら単位危ないよ」

やんわりそう言った途端、彩葉の顔が淋しげに曇った。

就活や試験が重なって、思い返せばもう1ヶ月近くまともに触れ合えていない気がする。

すぐそばにこんなにも可愛い彼女がいるというのに、何もせず帰るなんて…。

本当は今すぐ押し倒してしまいたい。

そしてそのまま朝まで彩葉をめちゃくちゃに犯してしまいたい…。

そんな気持ちを押し殺しながら部屋を出て行こうとした時だった。

『希一っ!』

俺の手首を掴む彩葉。

「どうしたの?」

『…あの、希一…』

「ん?」

『…試験期間中だってわかってるんだけど……。もっと希一と一緒にいたくて…』

彩葉の頬が淡い桜色に染まっていく。

恥ずかしさからか、瞳がユラユラと揺らいでいた。

「彩葉…」

俺だって、まだ一緒にいたい。

彩葉が欲しくて欲しくてたまらない。

こんな風に誘われたら、もうどうにかなってしまいそうだ。

『だから…まだ、帰らないで』

彩葉をめちゃくちゃにしてしまいたい衝動を必死に抑え込む俺を他所目に、彩葉は俺を誘惑する言葉を紡いだ。

『あと少しだけ…お願い…』

この言葉を俺に言うのは、彩葉にとってすごく勇気がいったんじゃないだろうか。

顔を覗き込むと、下唇をキュッと噛みながら、瞳には小さな涙が浮かんでいて…

あまりにも可愛すぎる彩葉の仕草と表情に、俺の中で抑え込んでいた理性が一気に弾け飛んだ。

彩葉の手首を掴んで引き寄せ、小さな身体を強く抱きしめた。

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