後宮夜話。残り物のユーチェン
ある国の後宮でのお話。お妃候補の一人、ユーチェンは皇帝のお手付きもないままくすぶっていた。年増となったユーチェンは転機を迎える。新しい皇帝に見染められたからだ。だがユーチェンのこころは晴れやかなものではなかった。ユーチェンは夜のお勤めに恐怖を感じていたからだ。そんなユーチェンに対して皇帝は……。
皇帝の妃候補たちが集う後宮に入って何年になるのか。
ユーチェンは年増といえる年齢になっていた。
そのユーチェンに転機が訪れたのは前皇帝が崩御したことからだった。
新しい皇帝にその控えめな美貌を見初められたのだ。
ユーチェンは今、その皇帝の前で震えながら泣きじゃくっていた。
「私がいやか。ユーチェン」
そんなことはない。
新皇帝は若く、聡明で、美しい男だ。
ユーチェンにとっては奇跡のような玉の輿であるし、皇帝のことは好いていた。
だが。
「まぐわうのが、恐ろしくて」
ユーチェンは吐き出すように言った。
皇帝は目をまん丸に見開いた。
「少し話をしようか」
皇帝はユーチェンの細やかな手を取って、彼女の隣に腰をおろした。
ユーチェンは震えていた。
心から怯えていた。
「殿方を受け入れることはとても痛くて苦しくて。血もたくさん出て……。受け入れたところから膿んで死んでしまうこともあると、聞いたのです」
なんとまあ。
皇帝はさらに目を見開いた。
これは耳年増というものなのだろうか。
いやその逆だ。
なんとうぶな姫だ。
きっと後宮のおんなたちが妬み嫉みでユーチェンに吹き込んだのだろうが、それを信じ込んでしまうとは。
長く女だけの園に居すぎた弊害ともいえる。
皇帝はユーチェンをますますいとおしく思った。
「試してみるしかあるまい。ユーチェン」
皇帝はユーチェンの細い顎をそっとすくい上げると唇を吸った。
一瞬ぶるりと震えたユーチェンのからだはキスが深くなっていくとその動きを止めた。
吐息がふたりの間で交差する。
「それにしても房時の教育は受けなかったのかい?ユーチェン」
「急なお話でしたし、まさか私がみかどのお目に留まるなど宮中のだれも思っておりませんでしたから。あ」
皇帝が優しい手つきでユーチェンの衣を脱がすと、ユーチェンはあらわになった胸を隠してカタカタと震え出した。
「ああこんなみっともないからだをみかどに見られるなんて。なんと恥ずかしいことでしょう」
「そんなことはない。一目見た時からなんと清らかな空気をまとった姫だと思っていたよ。裸になっても清廉で、そこがまたたまらなく官能的だ」
皇帝はユーチェンを床に押し倒すと、腕を開かせた。
たわわな胸があらわになり、ユーチェンはたまらずああお許しを……とうめき声をあげた。
皇帝は乳房に舌を這わせると、まだ膨らまぬ乳首に吸いついた。
「ひっ」
ユーチェンは小さな悲鳴を上げた。
皇帝は唇で粒のような乳首を挟むと舌で愛撫を始めた。
ぺろぺろと乳頭と乳輪を舐め、軽く歯を立てる。
「あうっ。なに」
甘いしびれにユーチェンは戸惑った。
今までの人生で感じたことのない感覚。
皇帝はユーチェンの変化を感じ取って、さらに胸への愛撫を強めた。
唇を離すと指の腹で濡れた乳首をクリクリとこねる。
「あ、ああ」
ユーチェンが甘い声を上げる。
「とても良い反応だ。ユーチェン」
「そう、なのですか。わたし、何か変です。あ」
皇帝はユーチェンの胸をゆっくりと揉みしだく。
天幕が張ったように乳頭がピンと立つ。
「ユーチェン、おまえはとても感じやすいからだのようだ。それはとても良いことなのだよ」
「う、ああ。それはみかどにとっても良いことなのでしょうか」
ユーチェンの愛らしい問いに皇帝はにっこりと笑ってうなづいた。
ユーチェンは安堵してほうっと穏やかな吐息をついた。
レビューを書く