昏睡 (Page 4)
「大丈夫、感覚分かる?」
「分かるけど、濡れてないのに入れる人いる?」
酔っぱらっているうちにヤマシロと何回も卑猥な行為をしていて、
挙句の果てにヤマシロは私を勝手に“セフレ”認定していたことは許していない。
しかし、ソレを飲み込んだ自分の身体が徐々にヤマシロに絡みつくように、愛液を分泌しているのを感じる。
ヤマシロが私の乳首を舌で愛撫すると、乾いた声が自然に漏れる。
快楽の情報で頭が混乱してくる。
してはいけないことをしているという感情で、顔が熱っていた。
「いつもしてたから、気にしてないと思ってた。記憶がないなんて、思わなかった」
言われて見れば、ここ最近はずっと酔っぱらった状態でしかヤマシロとは会っていなかった。
しかも、毎回迎えに来てもらう度に部屋で行為を繰り返していたというのだから驚きだ。
「何回目でしょうか?」
「軽く20回ぐらいはしたんじゃないかしら。いつもそっちから誘ってきてたから、でも悪いと思って毎回ゴムはしてたのよね」
「で、なんで今日はナマなの?」
「記憶あるし、外で出すから」
理屈がよく分からなかったが、実質私の中での初体験は今日なのだ。
ヤマシロが慣れた手付きで私の身体を愛撫し始める。
「ミライはクリトリスより乳首の方が好きなのよ。しかも入れながらが一番気持ちいいって喜ぶのよね」
自分が知らない身体の反応をたしかにヤマシロは知っていた。
一番敏感な部分のクリトリスは、何故かベッドの下にあったローターで刺激される。
いつの間に部屋の中にこんなものが持ち込まれていたのだろう。
「大分、濡れてきたわね」
ベッドの上で、グイグイと身体同士を擦りつけ合う。
クリトリスへの刺激が気持ち良すぎて、自然と腰が動いている。
処女のはずの自分が何か別のモノに執り付かれたようで、頭では理解できない。
記憶がないとは恐ろしい。
あのヤマシロが私の唇に吸いついてくる。
身体の相性がいいなんて聞いていない。
いっそ女として見られていたなんて思ってもみなかった。
「悪いけど、やっぱりゴムはするわ」
急に腰を引かれて、私がさっきまで持っていたゴムを装着し始めた。
ヤマシロのソレは粘液がねっとりと絡みついていた。
すっぽりと穴の開いた私のソコは、ヒクヒクと何かを求めているようだった。
ゴムを装着したヤマシロはまた、私に覆いかぶさってきたけれど、何の違和感もなしにそのまま行為を再開した。
「もしかして、今日の朝もしてた?」
「したけど、車で」
思い返してみたけど、やっぱり記憶になかった。
そんな馬鹿なと自問自答している。
そして、どうやって車の中でするのだと真剣に悩んでいた。
“推定処女”の私の性の知識では到底、記憶を埋めることはできなかった。
ヤマシロはグイグイと腰を動かし始めたけど、私の身体は何の抵抗も感じずに、簡単にイクという快楽を感じていた。
ピストンのスピード感も何もかも相性が抜群によい。
自然と喘ぎ声まで出てしまって恥ずかしくてヤマシロの顔すら見られなくなっていた。
ヤマシロが果てた後で、指で私の中をかき回し始める。
「何?!」
「ミライは終ったあとも虐めると喜ぶから」
乾いた声が漏れていく。
頭がおかしくなりそうだった。
ヤマシロの長い指が、ソレの代わりに出たり入ったりを繰り返している。
「もう少し感度がいいと、いいわね」
ヤマシロは悪びれずに笑っている。
私の身体の隅々まで研究されつくしている感じがして、何かあきらめがついた。
「今度からは、記憶がある状態だともっと開発できると思うのよ」
その後、私のブラはヤマシロの車の後部座席の下から見つかった。
Fin.
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