昏睡 (Page 2)
そっと、自分で脱ぎ散らかしたであろう衣服を拾っていく。
ヤマシロのベッドの下には、衣類が散乱していたが、どうしてもブラだけが見つからなかった。
ベッドの下の奥の方も捜してはみたが、衣類らしきものは何も見つからない。
だけど、男性特融のアレに必要なアイテムは見つけた。
エロ本、このご時世にアナログだなと少し感心してしまった。
私はブラが見つからないため、適当にヤマシロが持ってきてくれたコーヒーを飲んで一息した。
まさか、ヤマシロが私のブラを着けているわけもあるないし、さすがにサイズ的にも無理だろうと
想像して噴き出してしてしまった。
その拍子にフローリングを伝って、ベッドの下にあったエロ本にまで、コーヒーの飛沫が掛かってしまっていないかびっくりして、急いで確認してみる。
そして急に違和感を覚えた。
きっちり女が写っているグラビアで、ゲイ物ではないのだ。
“友達が来た時のためのやつか?”と訝しげな表情になりながら、ペラペラとページをめくっていく。
どの女も際どい体勢で、際どい生地が極小のビキニを着用しているが、
どんどんページが進むにつれて、裸に近い恰好になってきている。
いたって普通の健全なエロ本だった。
そういえば、昨日ヤマシロと何かしていたような気がした。
前から記憶が飛ぶことも多かったが、その度にヤマシロが私を部屋まで送ってくれていた。
1週間前もヤマシロは私の部屋で一緒に、お茶をしていた。
だけど、私は凝りもせずに部屋で迎え酒をしていた。
その時は、ヤマシロはどうしていたのだろう。
私の世話ばかりさせて申し訳ない気分になってきていた。
しかし、ヤマシロがゲイじゃないとしたら、私は女として見られていないわけで、それは女として終わっているのではないかと真剣に悩んで萎えていた。
実際に、まだ処女の女ってどうなんだろうと、真剣に考えと態度を改めようと思った。
もう少し色気があったら、こんなことにはならなかったと思うから。
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