舌 (Page 2)
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先生といっても、まだ年齢は29歳の若者。
初対面の時は童顔過ぎて、先輩だと思っていたぐらいだ。
まだ20歳の子供にはいわれたくないだろうけど、性欲がありあまっている感じで余計に幼く感じる。
ほぼ毎日呼び出されているだけに、どこからその性欲を捻り出しているのか疑問だ。
今日は人気がない来客用の部屋で行為に及んだ。
正直こんな部屋誰が使っているのだろうと真剣に悩む。
こんな部屋があるから、変態教師のやり部屋として使用されるのだと思う。
先生との関係は、先生と生徒だから長続きしているだけだ。
先輩と後輩だったら、すぐに離れていたと思う。
大人特融の包容力なんて先生にはないけど、この関係が好き。
最初は単位目当てで近付いたけど、ズルズル3年生の冬になっていた。
いつでも離れられる楽な関係、孤独を簡単に癒せる相手。
――やばいことしているな。
「先生、います?」
ぼやっとした静けさが、恐怖を際立たせる。
それに、もう外は夕焼け雲になってきているし、寒さが増している。
昔からこういう雰囲気は苦手だった。
何か悪いことが起こる前触れで、気が気ではない。
「…先生?」
何故か、いつも幼いとバカにしている先生のことなのに、とても嫌な予感がして胸が高鳴った。
そっと隙間から漏れる光の方へ視線を向ける。
先生と誰かが向かい合って座っている。
見たことのない女子生徒だった。
【先生、きたよ】
そうチャットを送ると先生はそれを確認して、私の方を向いた。
どうみてもいつもの気の抜けた先生ではなかった。
ニヤリと笑うと、女子生徒の頬に手を寄せて抱き寄せていた。
驚いた私は目を放してしまったが、女子生徒の泣き声で我に返り、目を凝らして様子を窺った。
聞き取れないが、先生の小さな声が聞こえてくる。
スマホに表示された時間は18時、学校に残っているのは私と先生と女子生徒だけであろう。
何故、先生が別の生徒を呼んでいるのか理解できなかった。
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