舌
大人を舐めていた私だけど、先生は思ったよりも何枚も上手だった。きっと子供の私が勘違いしていたことなのだろう。先生とのセックスは退屈?私が求めていた物って、こういう関係だったのかな…。他の女子生徒との行為を目撃して、私の感情は一気に正反対に変わっていった。
大学が嫌いだったけど、先生とこんな関係になったら、通わないわけにはいかない。
だって、生徒と教師で安全に会えるのは、学校だけなのだから。
私だって、好きで先生とこんな関係になったわけじゃない、ただ何か退屈を凌がないとやっていられなかった。
興味のない学部を専攻した自分が恨めしい。
別に未成年なわけじゃないし、付き合っていてもおかしくはない関係ではあるけど…。
――そういうことにしておいてほしい。
荒い息をしている先生の下で、なんとなく声を掛けてみる。
いつも通り激しく腰を振る先生は、綺麗な顔をしているはずなのに必死な表情だから笑えてくる。
腰の動きに敏感になることも、前はあったけれど、最近は退屈が増えた。
最初の頃は楽しくって毎日のように先生に抱かれたかったけど、最近は“刺激”に慣れてきてしまっていた。
性感で脳みそが溶けるぐらいの快楽だったのに、何故なんだろう。
妄想で先生とセックスをしていた時の方が楽しかったのかも知れない。
現実なんてこんなもの。
「先生、そろそろイキそう…」
けだるげな私の声に素っ気ない先生の言葉。
「あぁ、そう」
大変な思いをして腰を動かしている年上の男に、なんとなく嫌気が差してきているのかも知れない。
腰を浮かして、ソファの上で先生の竿を奥まで食い込ませる。
『男は女の気持ちのいい場所すらわからないのかな』なんて上から目線でまた、この行為に飽き飽きしてくる。
気持ちがいいとは何なんなのだろう。
「うっ…」
私が絶頂を迎えると先生勢いよくゴムの中に己の欲望を吐き出す。
相性はいいのかといわれれば微妙。
正直、誰としても中でイク体質の私からすれば、“相性”とはなんなのだろうという感じだった。
「気持ちよかったよ~先生」
必死に、コンドームとティッシュの処理をする姿がなんか可愛くって笑ってしまう。
明るいよい生徒の振りをするのは嫌いじゃない。
先生にとってみれば、ただのセフレ以下の口の堅い生徒に過ぎないし、割り切り方を知っている。
「そっか、じゃあまた後で」
この後、バカみたいに舌と舌で感じ合うのだ。
この時が一番落ち着くし、今後もこの関係が続くのだと安心感が獲られる。
――好きなのかなって勘違いできる感覚がすごく好き。
でも好きって感情はどこにあるのかって、いつも思っている。
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